30年も続いた独裁政権を倒し1年前、民衆が大統領を選んだばかりのエジプト。 エジプト初の文民大統領となったモルシ氏は先週、エジプト軍による事実上のクーデターによって解任されエジプトの民主化は僅か1年で大きく後退しました。 選挙によって選ばれた大統領が軍によって引きずり下ろされたわけですが今、エジプトではモルシ氏を支持するムスリム同胞団と軍そして解任を喜ぶ人々の間で衝突が繰り返される事態となっていまして混乱が広がっています。
例えば同胞団のメンバーを、主要な官庁のポストに就けたり、さらには知事職といった重要なポストにモルシ大統領は、自分たちの支持者を送り込みました。 警察を代表する治安機関と、ムスリム同胞団との間は、関係が微妙でありまして、ある種、警官隊が治安維持をボイコットしているというような事態もありましたので、治安がかなり状況が悪くなっていたというのは事実ですね。 軍は同胞団幹部300人に逮捕令状を出すなど、取締りを強めています。 衝突に巻き込まれ死亡した、ムスリム同胞団のメンバーの遺族から亡くなったターミルさん。
軍はムスリム同胞団とどう今、向き合おうとしていますか?軍は同胞団幹部らの大量拘束も行っていまして、硬軟織り交ぜた対応で、同胞団内の穏健派と強硬派の分断を図っているようにも見えます。 一方で軍としては、過激化するのを抑えたいだろうし、というのも、同胞団の中は、さまざまな潮流がありまして、中には改革的な穏健派の人物もいますが、非常に急進的なメンバーもいます。