金本は 江戸時代から続く老舗の五代目。 金本がある程度 裂いたタイミングで若い弟子たちが入ってくる。 金本は 4時間以上立ちっぱなしでうなぎを裂き続けた。 現在に伝わる うなぎの調理法が確立されたのは 江戸時代の事だ。 この「焼き」こそ うなぎ職人として初めて「現代の名工」に選ばれた金本の真骨頂だ。 金本は 重箱でうなぎが更に蒸される事やその日の天候も計算し最高の焼き色を見極めるという。 例えば 「裂き」の作業では…決して ぶれない技量を持つ事がプロの第一条件だと金本さんは言う。
金本さんが五代目として店を継いだのは 昭和33年の事だ。 悩む金本さんに転機が訪れたのは40歳の時だった。 そんな香港の街に立った時金本さんは思った。 金本さんは 四代続いてきた店のしきたりを 変えた。 うなぎの稚魚 シラスウナギが極度の不漁で養殖うなぎの値段が急騰している。 ラフォンの哲学を改めて聞きたいと金本は考えていた。 150年の伝統を背負いながらラフォンは変革を進めてきた。 ラフォンの信念は金本の思いと ピタリと重なった。 金本は それぞれの弟子に今すべき仕事と次の準備を指示して回る。