土曜ドラマ 夫婦善哉(1)<新><全4回>

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南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経。 何や 小河童か。 小河童 言うな。 何してまんねん!材木屋はん人の家の板の間たたいてあんたそれで よろしおまんのか?ここは 神さんが宿ったはるとこだっせ!どないや?うちへ女中奉公に来さしたら。 親の反対 押し切って蝶子はん 学校出たら曾根崎新地のお茶屋さんへ入りおちょぼになりました。 何や 小河童か。 小河童 言うな。 何やと!おい! こら 待て ただ裏!わいを誰や思てけつかんねん!材木屋の跡取りやぞ!小河童。 小河童 言うな!おい! 聞いてんのか!はよ行って 温まろや。

今日は 生国魂さんのドテ焼きや。 しっかりしなはれ!大阪一の芸妓になんねやろ?それとも あんたこの道 捨ててでも維康はんに ついていく気ぃか?そのあんたを維康はんは養うていく気ぃ あんのんか?は~。 「一度 話を」や。 え?「一度 話をしたいゆえ」と書いたつもりや。 あっ 「一度 話を」。 今度ばかりは 打つ 殴るの体の自由が利かんのが無念やわい。 若旦さん 少々のお茶屋遊びは大店の跡継ぎの たしなみだす。 この芸妓とは きっぱり別れると言いなはれ!文子は置いていけ。 これは 維康の子やさかいな。

お披露目の時の祝儀やら衣装やら皆 おかあさんに前借りしてしもうてる…。 何や!あっ あっ!地震や! あかん! あかん!大震災や 大震災!えらい駆け落ちしてもたこっちゃ。 梅田新道の化粧問屋のぼんぼんや。 ヤトナいうたら臨時雇いの芸妓もどきや。 お決まりの会費で 存分楽しむ腹の不粋な客を相手に息のつく間もないほど弾かされ 歌わされくたくたになってるところへ「安来節」を踊らされ稼ぎは せいぜい 3円50銭。 あとはご祝儀次第いうとこどすわ。