木曜時代劇 あさきゆめみし~八百屋お七異聞(2)「しのぶれど」

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吉三様は何とも思わないのですか?七は どうでもいいのですか?♪~なかなか いいぞ。 八百源は棟上げが済んで屋根をこしらえていた。 ご公儀は大名家の取り潰しに血道を上げ大名家は大名家で人減らしに苦心している。 吉三様は どうなのですか?私は学問で身を立てるつもりだ。 吉三様は 身を焦がした事はありますか?何だ その顔は?いえ。 「吉三様 参る 志ち」とはどういう事か?恋文ですので。 恋文?「石川五右衛門様」とか。 石川五右衛門?差し障りがなければ誰でも良いという事だ。

南無阿弥陀仏。 うん?吉三様は お出かけでしょうか?池之端の勉学寮じゃ。 ああ 夕べから泊まり込みで木下順庵先生の講義を受けておる。 元は加賀前田家の儒学者でした。 そんなやつを うっかり婿にしたら八百源の身代が潰されてしまう。 何? 八百屋の娘じゃ不満だってのかい?そうではなくて身分相応って事です。 あのな お七 今の世の中で一番偉いお方は 誰だか知ってるか?御母上といえども 桂昌院様は家光公の ご正室ではない。 大奥で お手がついて綱吉公を お産みになったが元を正せば 八百屋の娘だ。

夕方?吉三様も会いたいって。 しかも月に3度は 順庵先生のご講義を受けられる。 次は いつになりますか?うん?順庵先生の ご講義です。 1人は 大乗寺のご住職。 もう1人の恩人は木下順庵先生だ。 人に あれこれ言われたらどうする?後ろ指をさされたら どうする?お前はな 八百源の跡取り娘なんだぞ。 え?おとっ様は 吉三郎さんの話をしてるんだよ。 でもね 八百源の婿にはできませんよ。 まさか お前 乳繰り… 間違いを犯しては いまいな?あのな お七 お前は吉三郎の正体を知らんのだ。