勘蔵さんは 私が嫁でいいんでしょうか?お前は 八百源の婿には なれるが3代目には なれぬと…。 お前様の子に間違いはありませんね?間違いない! …と思う。 いいですか? お前様は 私を裏切っただけじゃなく八百源の看板に大きな傷をつけたんですよ。 東照大権現様も 20人のご側室がいた。 見込み違い?先代が亡くなったとたんに人が変わって遊蕩三昧。 八百源の当主がそんなケチなまね できるか。 八百源の売り上げは5割 増やしましたと。 お前様の魂胆は見え透いてますよ。
私は家付きの娘ですよ!お前様は養子でしょ!ああ だったら出ていってやるよ!ええ そうして下さいな!いっそ お露と所帯を持って 親子3人で暮らしたら どうですか!とろろ屋の主人になって 毎日とろろ すってたらどうなんですか!ああ やかましい!何て事 するんですか!もう お前には うんざりだ!こっちこそですよ!ああ!おとっ様!冗談じゃない ホントに!俺を 何だと思ってんだ!ホントに ああ~!当たり前じゃないか。 旦那様は そこに?分かりませんけど母が ヤキモキしていますので…。
マヌケな男を 手練手管で手玉に取るくらい慣れてんだよ。 でも 案外 サッパリした人で勘蔵さんが ズケズケ言っても落ち着いて受け答えしてました。 まあ どちらの祝言が先になるか分からんがのう。 回想お前は大店の一人娘だ。 夕時 何となく庭を見てたらさお留が コソコソ 土蔵の方へ行くんだよ。 祝言が終わったらどうするんですか?先の事は何も考えておらん。 祝言を挙げるまではここにいるんでしょ?バカな事 言うな。 祝言は来年にしました。 ゴタゴタを起こしたのはお前様ですよ。