ユニクロを展開する ファーストリテイリングだ。 右肩上がりで業績を伸ばす今幹部社員たちを前に柳井社長が口にしたのは強い危機感だった。 今 世界各地で アパレルメーカーによるしれつな競争が繰り広げられている。 今年 ユニクロを展開するファーストリテイリングの売り上げは初めて１兆円を超えた。 これに対し ユニクロは世界で２，４００店舗余りにすぎない。 柳井社長が目をつけたのがこれまで ライバルたちが参入を見合わせてきた貧しい国々だった。 この巨大市場をいち早く制する者が世界一のアパレルメーカーとなる。
伸縮性に優れ 乾きやすいソフト＆ストレッチ。 普通の綿製品が多いバングラデシュでは高い機能を持つ化学繊維はほとんど出回っていない。 どうやって安く作るかっていうところから…ソフト＆ストレッチのシャツは ３００円。 バングラデシュには 縫製工場が５，０００以上あるといわれている。 生産が大幅に遅れていたあのソフト＆ストレッチ。 そして ３００円という破格の安さを実現した あのソフト＆ストレッチ。 しかし ソフト＆ストレッチの売り上げは期待していたほど 伸びなかった。
宗教上の理由もあって肌を隠す女性の多いバングラデシュ。 ユニクロの進出を にらんでか伝統的な民族衣装にカジュアルなテイストを大胆に取り入れた服だった。 ユニクロが世界一になるためには海外の大手アパレルだけでなくこうした地元ブランドとも戦わなければならない。 今後の成長を４０億人市場に賭けるユニクロ。