健やかに育った2人の息子を頼もしく思っておりましたその父が突然 賄賂を受け取った疑いで蟄居閉門を命ぜられました宗左右衛門直筆の受取証文が藩主御用達の道具屋から見つかったのでございますなぜ こんな事に…。 そして 数か月がたち家を無くした笙之介は恩師のもとで 下働きをして暮らしておりました母上…。 笙之介 俺たちは前を向かねばならん。 つらく苦しい その言葉はなぜか 笙之介の傷ついた心に柔らかく響いたのでしたそして 笙之介が江戸に出てひと月がたちましたあっ…。 古橋笙之介様でございますね。
よいか 笙之介。 さあ やれるか? 笙之介。 おい 太吉!はい!急げ!「押込御免郎」。 えっ?うん それがいい!お父上の敵も大切ですが江戸中 探し回るんじゃおい 太吉!そこ ほこり残ってるよ!いや~ 聞いた事もございませんね。 本当の手習いの先生がはしかで倒れちゃってねいやいや いやいや…人聞きの悪い。
ハハハハハハハハ!はい。 ハハハハハハハ!昼間から楽しそうじゃねえか。 丁!半!丁!…って事は あんた 何かい?俺が筆を使って ゆすりたかりをやってるって言うのかい?こら!何しやがるんだ! こら!コンチクショー! こら!絞め殺されたミミズみてえな字書きやがって! コンチクショー!コンチクショー!ハハハハハハハ!もらうぞ。
20年前 その おふくちゃんの家の瀬戸物屋でその長男が ずうずうしく帰ってきたんです。 借金だらけの長男には博打仲間のごろつきや何かがどんな筋を通すって言うの?もしかして先代の遺言状ですか?そうです! 「長男は 勘当。 跡目は 次男に譲る」というお父っつぁんの遺言状を とある代書屋に頼んだそうなんです。 神田伊勢町の加野屋。
ハハハハハハハハハ! ハハハハハハ!わしに礼だと? どこまでお前は のんき者なんだ!えっ?いいか? よ~く聞け。 あなたは そんな事が言いたくてわざわざ 私に近づいたのですか?ハハハハハハハハハハ!捨て駒の親父を恋しがる腑抜の顔を近くで拝みたくなってのう。 ケッ!待って下さい!ハハハハハハハハハハハ! ハハッ!私は 兄に全てを聞かねばなりません。