あっ 旦那様。 旦那様!行くぞ。 旦那様 姿も現さぬ者の言葉を信じたんで?いや 今は用心する事に越した事はない。 でも 旦那様 あんな言葉に従ってかえって 何かありましたら…。 闇に溶け込んだ どうにも奇妙な男がいたんでさあ!はあ?親分さん!昨日は久方ぶりに 鼠が出たってね!親分 昨日も夜明かしですか? ご苦労な事で。 とうとう…何だ てめえ!親分 ところでその しかばねの身元は分かったんですかい?お武家の奉公人よ。
お待ち下さい! なぜですか?どうして里に帰らねばならないのですか?旦那様 それは重吉が殺された事と関係があるのですか?それとも 何か 私にお気に召さぬ事があるのですか?何か おっしゃって下さい!旦那様!どうした?岡っ引きの親分さんが…。 矢崎様 あっしら 家中の内情に立ち入る事はできやせん。 おまけに 矢崎は家中随一の 剣の使い手ときてる。 旦那様は何も言って下さらないけれど私には分かります。 けれど 旦那様は何も お分かりでない。 私には もう 旦那様と共に 命を落とす覚悟は できているのです。
次郎吉さん何か面倒な事に巻き込まれてるんじゃありませんよね?先生 終わりました。 次郎吉さん!ちょっと冷たいんじゃないですかね。 明日 国安を差し向けて矢崎を斬り捨てましょう!今度こそ しくじるな!はっ! 国安!はっ! はは~っ!直ちに手配を!小塚 金魚に餌!はは~っ!矢崎様が殿の前に お越しになる事はもうないと お思い下さい。 何と申した?矢崎様は 明日いかがされましたか? 殿。 旦那様と 私と おなかの子と3人で安心して暮らせるんですね!菊乃! そなた 子ができたのか?はい。