同じ頃官兵衛は家督を長政に譲った。 長政は 中津城へ戻り官兵衛は 秀吉の傍らで天下統一の総仕上げにかかろうとしていた。 秀吉の世継ぎ 棄は名を鶴松と改め淀城から大坂城へ移った。 これより 鶴松君とご生母 淀のお方様が大坂城へ住まわれます。 お方様?大事なのは この世継ぎの鶴松が鶴松様がお生まれになられた事で淀のお方様は北政所様をしのぐ権勢を我が子かわいさのあまり周りが見えておられませぬ。 官兵衛は 豊臣家の宝。
なりませぬ 殿下!駿府城ご入城は危のうございます。 徳川殿は 北条と縁続き。 徳川殿に逆心あるならば道中の橋や道の修繕に金をかけたりはせぬ。 我慢比べなら負けはせぬわ!ハハハハハハハ…!何故 小田原城は まだ落ちぬ?思ったより兵糧を蓄えていたようで…。 何じゃ?殿下の退屈をお慰めするため淀のお方様をお呼びになるのはいかがでございましょう。 茶々をか!いや 鶴松は誰が見るんじゃ?北政所様にお預けになられてはいかがかと…。 茶々が参る。 茶々が参るぞ!茶々が参る 茶々が参る! ハハハハ…。
和睦じゃと?頑固な北条といえど降伏に応じましょう。 姫君を北条に嫁がせておられる徳川様が ふさわしいかと。 されど北条方には見知った者もおらず何の つてもありませぬ。 百姓上がりの秀吉ごときに屈する我らではない!北条家重臣 松田憲秀殿を牢に閉じ込めておりますな?松田殿は 我らに寝返ろうとし捕らえられた。 2か国安堵…それは誠でござるか?殿下は 九州でも 島津相手に寛大な処分を下されました。 北条様さえ 降伏なされば…この国の戦は終わりまする。 天下のためにも北条家を残すためにも何とぞ…ご決断を!7月5日。