知られざる詐欺被害者の苦悩。 こうした振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害者の8割が高齢者、女性が被害に遭う割合が高いものの男性も例外ではありません。 私たちが取材した50人の詐欺被害者。 辰野さん、犯罪被害者の実情にお詳しい専門家のお立場から、経済的な被害にとどまらず、体への影響、そして精神的な苦悩の深さ、被害者の実態、どのように受け止められましたか。
被害者、一般に被害者自身、その被害者は憤りを持ったりとか、後悔を持ったりとか、あるいは怒りとか悔しさとか、いろんな感情を持つと思うんですけれども、それに加えて、その振り込め詐欺の被害の場合には、自分も被害に遭う過程で関わってしまったということが、一番、心に負担になるんだと思いますね。 被害者の数も増え続けているわけですけれども、どうしたら詐欺被害者の苦しみを和らげることができるのか。
それなのに今、被害者に対する周囲のまなざしというのは、決して優しくない、今の自治体のアンケートにもありましたけれども、周囲の意識が変わらないと、話したくても、やはり話せないではないですか。 一般に人が、被害に遭った人と自分との違いというか、被害者の落ち度とか、違いを見つけて、自分の側は大丈夫であるということを確認したいような気持ちがあると思うんですね。