うわ~っ!旦那様 お覚悟!待て! 頼む! 話を聞いてくれ!問答無用!父上!往生際が悪うございます!きえ~っ!うわ〜っ!夢か…。 ですから 私は奥方様だけにでも新九郎様の あの秘密を打ち明けた方がよいと申しておりましたのに。 その後 米沢からの知らせはどうなっておるのじゃ?上杉家中では 目下2つの組が反目しており一つは 徳川のもとで家名を守っていこうとする穏健派の与板組。 だから 江戸にいるお屋形様に我らの考えを じかに お伝えしに行くのよ。 おう!この書状は 江戸のお屋形様から届いたものである。
けれど 奥方様が金沢にいらっしゃったなんて新九郎様の事も…何か 隠してる事があるんじゃないですか?言えないような事なんですか?いや そんな事は…。 うお~っ 女房殿!奥方様!?やはり こちらにいらしたのですね 父上。 ですから新九郎殿がいてくれたおかげで我が家は 安泰。 ところで 新九郎殿いくつにおなりに?年は 18でございます。
では どうして!?父上! 母上の前でまことの事を お話し下さい。 旦那様を連れて帰るのがそなたの役目ではなかったのか?そうなのでございますが…。 では あの舞は 思い出の舞?旦那様も覚えていてくれたのであろう。 あ~ 10年ぶりの旦那様の手料理。 家族そろってする食事はいいものですな 父上。 ここは 父上も一緒に戻られ私のお城への出仕をお認め下さればあとの事は 何の心配もないかと。 旦那様も 新九郎様もおやめ下さい。 それだけかわいいのでございますな新九郎殿の事が。 新九郎殿。