寺島! 参るぞ!おお!イギリスをはじめとする四ヵ国連合艦隊が毛利家の奥御殿にあがる事となる。 御半下頭の志乃じゃ。 御半下がお目通りなど…。 この先 どのような事があろうと老女から御半下に至るまでただの一人も飢えさせず苦しませたりはせぬ!御前様!参るぞ。 夷狄との戦ごときで膳を減らしては 御膳所の恥ぞ!御前様の持病のお薬が届かぬ。 私?高杉晋作を獄から出し下関に送っております。
高杉家が代々お預かりしてきた儀礼に欠かせぬ大切な装束じゃ。 必ずや この品高杉様にお届け致します。 高杉さんを捕まえ 何としても講和をやめさせるんじゃ!おお!待って! 待ってつかぁさい!そういえばお文さんは なぜ ここに?私… 私は…。 やのに その妻が異国との講和に手を貸しちょる!講和は 殿のご命令じゃ!つまらん言いがかりはやめろ!高杉や文を責めるんは筋違いじゃ。
旦那様の無念を晴らしたいんです。 高杉さんとおると 英国におるよりハラハラするんよな。 長州を開国する…?じゃろ?異国との まことの戦はこれからじゃ。 伊達宗城様は ご聡明で異国の事情にも通じとると聞く。 それにあやかり寅次郎 久坂 兄の私がお前を見守る事にする。 後に 英国人通訳 アーネスト・サトウは記している。 こたびの下関への使者格別の働きであったと聞いておる。 美和殿が毛利家を朝敵に追いやった久坂玄瑞様の妻と皆に知れてしまったのです。