我が神田八か町で代々 町名主を務めるどこぞへ落としてきてしまったらしい麻之助!お前も お前だ!麻之助が出かける時はちゃんと行き先を…!あっ! ああ…。 お前さん?父は もとより周りの人たちも気が気じゃあないという訳でございますそっとだよ! アイタタタタ!町名主といいますのは江戸の町役人の一人でありまして町奉行の支配を受け町方の民政を行います。 お触れの伝達から 人別改め証文類の検閲などそれに加えて奉行所では扱わないような町の人々のもめごとを調停するのも名主の大きな仕事。
江戸で一番と名高い同心見習い 相馬吉五郎さんの腕と頭が 入り用なんだよ~。 俺は吉五郎ほどの眼力を持った男をほかには知らないねぇ。 吉五郎さん お久しぶり。 その笠松屋の娘の事なんだけどねそう! 亀太郎さんと。 小倉屋さんの長男?亀太郎というのか。 おい!どうやら おのぶは亀太郎との縁談に乗り気だったようだな。 だとすると おなかの子は亀太郎の子じゃないのか?そいつは違うよ 吉五郎。 吉五郎 行け。 分かってますよ! 頼んだよ!はい!行くぞ 吉五郎。
という訳で小倉屋の半次郎から50両もの大金を受け取ってしまった 麻之助あっ これは ただ ぼんやりしてるんじゃございませんよ。 麻之助なりにいろいろ 頭ひねってるんですそして 10日が過ぎいよいよ 麻之助の高橋家名主名代としての初裁定が行われる事になりました。
黙れ~! この娘はうそをついてるんだ!そうですよ!ここは 落ち着いて! あっ…!笠松屋様!この話が本当なら私は謝らなけりゃあなりません!半次郎! おめえってやつは子どもの時から そうだ!亀太郎のように真面目でもなけりゃ出来もよくねえ!親の言う事を聞こうともしねえ!亀太郎 亀太郎って もう よせよ!あいつは死んだんだ!半次郎!小倉屋の跡取り息子は兄貴じゃなく 俺なんだ!今はこの俺が 跡取りじゃねえか!半次郎さん。