NHKアーカイブス「すべては乱歩から始まった~日本ミステリーの父 没後50年」

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この番組のまとめ

乱歩の作品には ミステリーの魅力がぎっしり詰まっています残された本人の肉声などからたどった番組があります乱歩は 当時 最新の流行を作品に取り入れ大衆が求める娯楽作品を次々と発表するようになります。 一方で 乱歩は 数々の探偵小説賞を創設するなど後進の育成にも力を尽くしました乱歩が育て 花開いた日本ミステリーの魅力に迫ります今日は 本格ミステリー作家としてまたミステリーを広めた功労者としての乱歩の功績を見てまいります。

乱歩は 戦争で火が消えてしまったその 探偵小説 これをなんとか復活させたいというふうに思いました。 ポーを生んだアメリカは このころ第一次世界大戦の好景気を経て世界に先駆けて大衆文化が花開いていました。 乱歩自身が 自らの人生を年代別に記録したスクラップブック…ここには アメリカ行きを夢みて書いた英文の履歴書が残されています。 乱歩は アメリカ渡航の動機についてこう記しています。 結局 渡航費用を作れずに夢は ついえ乱歩は大阪の貿易会社に就職します。

そういう大衆文芸のですね交流のきっかけまあ 引き金ですねそして 引き金になりそれから先駆的な指導者開拓者になったのが乱歩ですね。 どちら様で?ああ 明智君じゃないか!名探偵明智小五郎です。 8月発表の「屋根裏の散歩者」では明智小五郎が推理と心理的駆け引きで密室殺人の犯人を追い詰めていきます。 人間心理に迫るサスペンスと卓越した犯罪トリックは好奇心旺盛な乱歩の日常の観察力から生まれたものでした。

探偵小説は 犯罪を誘発する反体制的なもので検閲は 次第に厳しさを増します。 仲間には病死や戦死した者も多く探偵小説界はまさにゼロからのスタートでした。 この作品は戦後初の本格探偵小説として「小説を書く事よりもほかに自分がすべき事がある」。 探偵小説界を復活させ一旦 途切れた大衆との関係を取り戻す。 そのためには新しい組織を作って探偵小説の普及と新しい人材育成を図る事が重要だ。 会長 江戸川乱歩のもとまた 探偵作家クラブ賞を設けます。

だから 大勢の探偵作家仲間を呼び集めてそれでですね ミステリーというのはこれは 民主主義の社会でないと今日の社会の文化的成熟度を示すまさに江戸川乱歩を源流にしているとそう言えると思います。 戦後 江戸川乱歩はむしろ 創作活動よりは今日は お別れをしたいというふうに思います。 乱歩が ミステリー作家としての原点だとおっしゃる綾さんは今のこの番組 どういうふうにご覧になりましたか?感動してしまいますね。

この新しいミステリー小説は社会派ミステリーと呼ばれました乱歩が創設した日本推理作家協会賞を受賞して以降 ミステリー作品を次々と発表した松本清張。 松本清張について語った肉声が残っています1980年代になると社会派ミステリーに対する新しい動きが生まれてきます81年に 島田荘司が「占星術殺人事件」でデビュー。

こうした多様化もジャンルにとらわれずいい作品を 次々と 雑誌などに推薦した乱歩の姿勢にその源流があると香山さんは言います乱歩さん自身は本格ミステリーであるとか幻想小説であるとか ちょっとホラー的なものであるとかそういうものを得意にされた作家ですけれども自分では全く書かない例えば 大藪春彦さんの「野獣死すべし」なんていうデビュー作ありましたけれどもこれを世に送る後押しみたいなものもされてるんですね。