麻之助に さるお武家様の娘との縁談が舞い込んだ。 麻之助に そんな良縁がただで来る訳がない又四郎様! 又四郎様!どなたか いらっしゃいませんか!?又四郎様が!「麻之助様には いかがお過ごしでございましょうか。 さてお見知り置きの水元又四郎様いよいよ お加減悪しく心配致しております」。 「その又四郎様が至急 あなた様に お会いの上お話がしたいと申されております」。 「ご本人に外出は かないませんのでまことに勝手ながら一度 水元家お屋敷においでを頂きたくお願い申し上げます。
お引き受け下さると?先日 宗右衛門殿に 仲人口を探してほしいと頼まれて以来心当たりを方々 探してはみたのですがいや もちろん私のような 至らない者には何かと ご不満はあるやと思いますがしかし 麻之助さんの事は誰よりもよく知るつもりでありますし私以上に麻之助さんの事を知る者はほかに 誰もおるまいと…。 けど このまま ここにいて何かが変わるかい?おおお… ちょっと!えっ! お… おしんちゃん!おしんちゃん!吉五郎 これ!おい おい!麻之助!ああ~!おなかに赤ん坊がいるの。
紛らわしい事するんじゃねえ!だって ほら あの時 親分様私たちを犯人と決めつけて。 拙者北町奉行所 同心の早瀬と申す。 まことに!まことに 大手柄じゃ!これで 北町奉行の面目は保てるぞ! ハッハッハッハ!こりん様~!皆様 どうぞ こちらへ。 子どもたちが 一つの話を順々に伝えていくうちに元の話とどんどん変わっちまうように赤い首玉が 赤い手絡になり犬が 人間の娘っ子になった。 まあ いつの間にか 赤い首玉をつけた 犬のこりん様が赤い手絡をつけた 人間の娘っ子に変わっちまったって訳です。