今回のテロに関わったとされる容疑者のうち少なくとも5人はフランス国籍の若者でした。 このときの銃撃戦で今回の首謀者とみられるアブデルアミド・アバウード容疑者が死亡しました。 アバウード容疑者らはパリに続き空港やショッピングセンターでのテロも企てていたとアバウード容疑者はシリアで過激派組織IS・イスラミックステートに加わりました。 首謀者のアバウード容疑者はみずからの出身地であるベルギーに協力者を作り実行犯を水面下で育てていたことが今回の取材で明らかになってきました。
取材を進める中で、私たちは息子がISに勧誘されシリアに向かってしまったという一人の母親に出会いました。 ヨーロッパ刑事警察機構・ユーロポールはシリアに渡ったテロリスト予備軍が2000人はいるとみて警戒を強めています。 こうした映像はシリアにあるISのメディアセンターで欧米のメディア出身者によって制作されているとみられています。 そして映像に関心を持った若者がフェイスブックやツイッターなどを通じてエレルさんが接触したISの幹部が強調したのは理念や教義ではなくISに加わることのメリットでした。
非常に長い間フランス社会などを取材をしてきた立場からテロというのをどういうふうに見ていますか?フランスでは、これまでも社会の格差や差別に不満を募らせたイスラム系の移民の若者たちの怒りが噴出して社会が大きく揺さぶられる場面が多く見られました。 その過激な思想にひかれてこれまでフランスからISの支配地に渡った若者は2000人に上っているとして外国人戦闘員になってしまったりあるいは一部は帰国して国内で新たなテロを引き起こす危険が指摘されているんです。
かつてのアルカイダのテロのように非常に高度に訓練されたテロリストというイメージとは違って大衆の中にいる普通の人々が指令に基づいてテロを起こしてしまうという新たな形に今回は、こうしたパリの例に見られますようにその海外でテロを混乱を引き起こすということをやった、そこはある種のISの戦略の転換みたいなものは考えられるんでしょうか。 先月からトルコやレバノンでのテロ事件ですとかエジプトでのロシア機の爆破事件、そして今回のパリでのテロなどISは各地で大規模なテロを展開するようになっているわけですね。
今回の事件のあとにこの当局の高圧的な対応ですとかほかの国民の冷ややかな視線を受けてイスラム系の移民の若者が一層、反発してこのフランスという国への帰属意識を失ってまた、ISへと傾斜してしまうことが懸念されます。