ローマの新しい円形闘技場「コロッセオ」です。 古代ローマの詩人マルティアリスは コロッセオをたたえる詩を残しています。 コロッセオは 当時 各地に造られた円形闘技場の中でも最大の規模を誇り 皇帝によって政治的に利用されました。 コロッセオには 飲料用の噴水が100か所以上設置されていました。 現在とは異なり 当時 コロッセオの地下は 何もない空間でした。 しかし コロッセオでの合戦は奴隷や罪人によって行われ100日間の祭典でもう一つ 人気のあった催しは動物狩りでした。
だからこそ ウェスパシアヌスは民衆の心をつかむためにこれまでにない規模の円形闘技場の建設を政治的な思惑は 建設用地の選択にも表れています。 ウェスパシアヌスは コロッセオをローマの町の中心にあったネロの宮殿を取り壊して造る事にしました。 しかし コロッセオの場合は全体の均衡を保つには新しい構造と 新しい材料という2つの技術革新が必要でした。 コロッセオの建設は アーチという新しい構造が登場した事で実現しました。
ウェスパシアヌスはまたネロの巨大な像を太陽神の像に造り替えさせました。 ウェスパシアヌスは どのようにしてこの巨大プロジェクトの費用を調達したのでしょうか。 父 ウェスパシアヌスから戦いを引き継いだ息子のティトゥスがエルサレムを陥落させたのです。 皇帝ウェスパシアヌスは コロッセオの完成間際に世を去りました。 ティトゥスにとっても コロッセオは重要な政治の舞台でした。 エルサレム征服後 ローマにいる父の元に戻った ティトゥスを追って再会を果たした 2人の未来は幸せに あふれているかに見えました。