連れが けがをしこれ以上 進めませぬゆえ幹殿!♪~私 中野汀女と 2歳年下の神守幹次郎殿の2人は九州は豊後の岡藩で共に 下級武士の家に生まれましたそうしているのを見るとお二人は もう すっかり若夫婦のようですね!何を言うか!からかうんじゃありません!いつも そばにいた私たち。 30両で買われた女の分際で口答えするな!これが 私の日々の暮らしでした当てつけのようにアザなど作りよって!旦那様。
それより 信一郎の事だが…。 信一郎を助けるんだよ。 そなた 信一郎を知っているな。 え?某は 信一郎の義理の兄だ。 信一郎が来たら我らが江戸にいると伝えてくれ。 大門を通行する女たちに女切手と呼ばれる通行証を発行する事で四郎兵衛会所は 遊女の足抜きを厳しく見張っていたのです。 信一郎の事を本気で好きなようです。 いつか信一郎が助け出してくれて一緒に逃げ出してくれる事を夢みていると言っていました。 信一郎が本当に その人を助け出して逃げようとするのではないかとふと…。
み… 幹次郎殿…。 幹次郎殿は…私のように弱くない。 我ら会所の者が 廓内の仕置きは行うておるんですが時には 刃傷沙汰も起こります。 こうして 幹次郎殿は吉原の女たちを守る廓の用心棒として勤めを果たす事になったのです。 幹次郎殿と私は四郎兵衛会所のお世話で相庵先生がいらっしゃる長屋に住むようになっていましたおう!お~ なかなか 豪勢なもんだな。 四郎兵衛様に頼まれて私は手習いの師匠として遊女たちに読み書きを教える事になりました皆さんが習いたい事を何でも お教え致します。
…で 話ってのは何でございましょう?薄墨太夫に付け狙われる心当たりは?どうして薄墨太夫は そのお大尽が来るまで黙っていたのだ?分からねえのかい?騒ぎになりゃ お大尽のお越しが取りやめになるかもしれねえだろ。 しかし どうも 私には薄墨太夫が黙っていた理由の得心がいきません。 もしや… 薄墨太夫を付け狙う者の仕業では?敵は 薄墨太夫の過去と関わりのある人間でございましょうな。 そして 薄墨太夫を付け狙っていたのはそこに込められた激しい怒りを見て私は恐ろしくなりました。
ひどい扱いを受けていたのを見かねて与五郎殿が どこか他人のような気が致しません。 そして 幹次郎殿は父の敵と狙われる与五郎殿の助太刀を申し出たのですどういう事でございますかな。 与五郎殿は 見事なご最期でした。 何だと!吉原の女たちはな…吉原の女たちは みんな必死で生きてる女たちなんだ!守ってやらなければならない女たちなんだ!それが分からんのか!?俺たちの目当ては四郎兵衛だけだ!ここで刃傷沙汰は許さん! 帰れ!うるせえ!そうだ。