時論公論「アメリカ新政権の課題」髙橋祐介解説委員

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この番組のまとめ

日本を含む世界に、どのような影響を与えることになるのか、今夜は、アメリカ担当の高橋解説委員、そして、政治担当の島田解説委員、それに経済担当の関口解説委員と共に考えます。 さて、トランプ候補は予備選挙の段階から、世界に衝撃を与えたこの結果について、まず高橋さん、何に一番注目したらいいんでしょう?この1年余り、トランプ氏は過激な発言をたたかれながらも、現状への不満、そして将来への不安を、スポンジのように吸収して、ここまで大きくなってきました。

しかし、トランプ氏は、その共和党の大統領候補でありながら、そうした地域に住み、これまで投票には行かなかった白人労働者層の票を、新たに掘り起こした形。 その結果、予想外の大勝だという評価だと思うんですけれども、その白人労働者層を掘り起こした大きな力、アメリカのどういう変化があったんでしょう?その同じ白人労働者層ですけれども、その怒り、なぜ生じたのか。

ファーストレディー、上院議員、国務長官と、長年ワシントン政治の中枢にあったことも、豊かな経験と実績というふうに評価する人もいますけれども、その反面、予備選の段階で苦戦を強いられた、バーニー・サンダース上院議員ですとか、今回のトランプ氏のような既成の政治に対する反発、反エスタブリッシュメントの風の前には、マイナスに映ってしまったということなんでしょう。

これまでトランプ氏が訴えてきたスローガンというのは、アメリカファースト・アメリカ第一ということですけれども、その底流には、アメリカはアメリカのことだけを考えていればいいと、世界の警察が見え隠れしています。 トランプ氏はね、アメリカ軍を駐留させている日本に対して、守ってやっているんだから、もっと金を出せと、こう主張していましたね。

それで政権発足後の、いわゆるハネムーンという、その期間を過ぎても、よく日米間で、この同盟管理ということがいわれるんですけれども、その日米安保体制を維持していく、その実務にかかってきたアメリカ政府の関係徐々に理解を迫っていく、こういう共同作業というのが、現実的になるんですね。 ですから、TPPにもともと積極的だったアメリカ共和党、このアメリカ共和党が、トランプ大統領にどのような形で承認を迫って、それに大統領がどう応じるか。

円高に対して日本が例えば市場介入するとか、あるいは国際的な協調を図るというのもなかなか現実的には考えにくいので、しかも今回の原因は、アメリカ大統領選挙の結果ですから、その民意に対して市場の動きが行き過ぎか、行き過ぎでないかという議論自体が、なかなか難しいですよね。