坂崎磐音と申す。 あっ 坂崎様は 江戸には お仕事か何かでいらしたんですか?どうしようかと思案していた最中なのです。 江戸有数の大店の用心棒となった磐音は存分に 剣の腕を振るった。 しかし 国家老の命令で藩の謀反人とされた琴平をさらばだ 奈緒。 よう うなぎ割きは 休みかい?坂崎さん!しまった!用心棒稼業とは別に磐音には もう一つ仕事があった。 友 琴平を謀反人に仕立て上げたのはしかし 関前藩危急存亡の時我らが 手をこまねいている事は許されぬ。
磐音様。 磐音様。 磐音様…。 そのころ膨大な借財を抱えた関前藩は海産物の貿易に活路を見いだしていた。 これも若狭屋に引き合わせて頂いた今津屋殿 元締殿のおかげ。 お家勝手向きの立て直しに私どもがお役に立ちたいと願ったのは坂崎様がおられたればこそです。 関前藩の国家老となった磐音の父に参りました。 磐音は 物産会所組頭となった中居半蔵に招かれた。 江戸家老が お家のために田沼様と会われる事もあろう。 殿が 利高様に外に出るのを控えよと江戸家老の仕事か。
長崎会所の一件独断で進めてはならんぞ。 おのれ 坂崎磐音。 実はね坂崎さんだから言うんですがね今日はねおこんの見合いなんですよ。 見合い!?坂崎様 ちょっと…ちょっと こちらへ。 今朝方金兵衛殿にお聞きしました。 酒問屋の一人息子殿とかで。 こら 坂崎磐音。 あっ まさか お父上坂崎様に家督を継ぐように説得に来られる訳ではありますまいな。 おこんさん坂崎様がいらっしゃいました。 おこんさんの父御金兵衛殿にございます。 それがし 坂崎正睦磐音の父親にござる。
今津屋殿はもちろん 金兵衛殿おこんさん 鉄五郎殿これは…。 それとなあ もう一つ 金兵衛殿。 へ?金兵衛殿は おこんさんの婿選びに走り回っておるとお聞き致したが。 ならば 磐音をその婿選びの一人に加えては頂けぬかな?へ?あ~ ごご… ご冗談を。 いやいや 金兵衛殿差配の長屋に住み暮らすせがれは浪々の身にござる。 飲めば 約束なったという事にござるぞ 金兵衛殿。 金兵衛殿。 江戸家老 利高であった。 それがしの駕籠の前に立ち塞がるとはいかなる所存かな?坂崎正睦 磐音その方らの命 もらい受けた。