昭和15年10月このころ 日本では日中戦争が長期化。 生活に必要な物資が次々と軍事優先となっていき物資不足により 森田屋は弁当屋を続けられなくなり高崎へ移転単刀直入に言うよ。 タイピストの常子もまた戦争の影響によって解雇されてしまいますでも 負けないで下さい 決して。 常子は 一家を養うために次の職を探した末…甲東出版という小さな出版社に編集部員として入社する事になりました何をしている?あっ 皆さんにお茶のお代わりをと思いまして。
戦争の間男は 戦地に行っちまって女だけで守り抜いたって事が自信っつうかよ強さにつながったのかもしんねえな。 だけど 女は もともと太陽だったって思うと女性のための雑誌を出す出版社を作る事にしたのですどう? 見出し。 さあさあ お立ち会い!新雑誌「スタアの装ひ」!「スタアの装ひ」 入荷致しました。 よかった!常子たちが創刊した服飾雑誌「スタアの装ひ」はあの人に相談してみろよ。 あの人?花山伊佐次。 きっと君の作ろうとしている雑誌をよりよくしてくれるはずだ。 甲東出版の小橋常子だ。 私 雑誌を作ったんです。
私は どうしても女の人の役に立つ雑誌が作りたいんです。 そんな皆さんの毎日の苦しい暮らしに少しでも明かりを灯せるような雑誌を作りたいんです。 衣服だけでなく衣食住にまつわる全ての中で毎号 私たちが大切だと思うものを調べて実際にその生活の知恵を実験してみて体験した事を 読者に伝えて皆さんの生活が今日よりも明日と少しでも豊かになるような雑誌。 新しい雑誌作りを。 バカ者! 一瞬たりとも遊ばせておくんじゃない!四六時中 雑誌の事を考えさせておけ!すみません。
2人は 早速 第1号の目玉企画に取りかかりました型紙は使わないんですか?これじゃまるで 着物じゃないですか。 女性誌の表紙なら 普通きれいな女の人の写真かイラストだからね。 常子と花山が作り上げた「あなたの暮し」は企業からの広告を 一切載せず編集長の花山がこだわり抜いて全ての誌面を作り上げました。 これが… あの部屋?戦後の住宅難の中限られた住まいで快適に暮らすための企画でしたこれは どういう…?変化できる家具です。
その企画は本格的に到来した大量消費社会を前に製品を 消費者の立場で検証するものでした試験をしましょう。 商品を試験?物が出回ってきた時代だけどその反面 あのミシンのような粗悪品も たくさんあります。 花山さん この商品試験はこれからの「あなたの暮し」が読者に提供すべき大切な情報だと思うんです。 いろいろな商品試験が同時進行で行われていきますその一方で 常子たちはさまざまな家庭を回って台所の取材を進めていましたはいはい はいはい。
確かに 商品試験で 粗悪品だと書かれた会社の人たちはフフフ…私の気持ちがかすんでいるといつもまっすぐに光をさしてくれた。 商品試験を続けるべきかどうか揺らいでいただろう。 商品試験は 「あなたの暮し」の看板企画として末永く続けていくべきだ。 「あなたの暮し」の 次の商品試験の内容が分かりました。 電気釜?電気釜は アイロン 洗濯機と並ぶ我が社の主力製品です。 再び 粗悪品として記事を出されてしまうと大きな損失を生む…。 粗悪品を売って お金で評価を操作しようとするなんて何なの?石?うちは 台所や。
常子たちは 脅しに屈せず使用する主婦の立場に立って公平な商品試験を心がけましたもちろん電気釜そのものも 安くない。 最近は 商品試験とやらで消費者の支持を 得てらっしゃるようじゃないですか。 商品試験のやり方に疑問があるという声は47.2%という結果だった」。 常子と花山は商品試験への疑いを晴らすため洗浄率についてどのような試験を行ってますか?え~ 私たちは3種類の洗剤を使用し汚染布だけではなく家庭での洗濯物 つまりシャツや靴下シーツなどを洗ってしかし…。
3万円ものお金を出して洗濯機を購入した主婦の立場に立って発言なさってますか?何だと?主婦の皆さんは常に働いています。 あなたの暮し出版の試験に虚偽はなくむしろ 使用者の目線に立ち行われた 公正な結果だと証明された気がするんですが?そうよ!そうだ!そのとおりだ!そうだ!赤羽根さん。 アカバネ電器の洗濯機のキャッチフレーズは 何ですか?え~…。 あとは 買った人間の責任だろう!安かろうが メーカーが絶対に守らねばならないのは消費者の安全だ!弱小出版社ごときが 偉そうに…。