目の前に鮮やかに現れる笑いと人情の物語見る落語どうぞ 一席 おつきあい下さい。 すみ花 久しぶり~!久しぶり! 元気だった?元気だった。 兄貴だとか 兄さんだとかいわれているようなそういう人がいて 何か トラブルとかそういう事があるとそういうところへ持ち込んだんだそうでございますけどね。 今日ね うちの人が 横浜まで用足しがあるからってんで朝早くに出かけたんですよ。 亭主持ちなんだからいくら 留守だからといってな若い男 引っ張り込んでどうすんだよ?」。 すぐに布団敷きまして」。
じゃあ ちょいと行って逃がしてやるから一足先に帰って… いいかい?お前んところの亭主をな押し入れの前から 一歩たりとも動かすんじゃないぞ。 おっかあ すまねえちょいと押し入れからな風呂敷の大きなやつ一枚 出してくんな。 湯上がりでもって長襦袢でもってさこの辺に 後れ毛が こうなってよで 斜めんなってさ『お前さん 寝ましょう』なんてな事を言われりゃ寝るよ 俺だって。 それを どうだい?今 うちのかかあ 100万年前のトカゲみてえな顔しやがってさ。
だって その押し入れん中へ隠れてんでしょ?その押し入れの目の前にその亭主というのが酔っ払って座ってる訳でしょ?ちょいちょい ちょいと前出ろちょいと前出ろ。 ちょいと前出さしといてねこの風呂敷をねその亭主野郎の頭に ふわ~っとこうね かけたんだよ。 いや 映画見た流れで みんなでうちに来たやつね みんなで!真面目にコツコツ頑張っている人にはいい縁談があったそうで…。 そしたらよ 後から 吉公の野郎が入ってきやがってな吉公の野郎とよ あの不動坊火焔のところのお滝さんと一緒になるらしいんだ」。
明日の朝になったら吉公が血相変えて大家のところに行ってよ大家に土下座して『この話はなかった事にして下さい勘弁して下さい』ってんで詫び入れるようなそんな 俺は 筋書き考えたぞ」。 ただ 寄席に置いてきてしまってるものがございまして幽霊火 焼酎火なんていうのを作ってもらえたらありがたいんでございます。 寄席の場合は三味線のお師さんがいまして『幽霊散手』というのを弾いてくれるんですけどもそれに合わせまして大太鼓でもってドロドロ ドロドロドロ…。 太鼓があったらで結構でございます」。
何にも 話が進まねえじゃねえかこのウスバカヤロー!」。 「何だよ ウスバカヤローはねえだろ!俺だってね 俺だっておかしいなと思ったよ。 大丈夫です 幽霊火なくても出ますんで 喧嘩やめて下さい。 「何だよ… おめえの手伝いに来てんじゃねえぞ!みんな お滝さんが好きだからこのプロジェクトXに参加してるんじゃねえか コノヤロー。 「ホーホケキョ!?あなたの寄席って江戸家子猫だったんですね!」。 不動坊火焔の幽霊だ~」。 「『四十九日も過ぎぬのに嫁入りするとは恨めしい』」。