地震発生から6分後イソコンと呼ばれる非常用の冷却装置が自動で動き出しました。 イソコンは 原子炉からの蒸気をタンクの水の中に循環させ冷却します。 当初 運転員たちは原子炉の温度を確認しながらイソコンを使って冷却していました。 豚の鼻とは 原子炉建屋の壁にあるイソコンの排気口です。 イソコンが動いていると原子炉からの高温の蒸気によってタンクの水が温められ蒸発。 イソコンを巡る経験不足が原子炉冷却の最初の判断を誤らせたのです。
こうして一度も使った事がない装置で解析によれば地震発生の翌日の午前1時にはメルトダウンした核燃料が原子炉を突き抜け格納容器にまで達していました。 このころ 原子炉を冷却するための手段として消防車による注水を目指していました。 原子炉や使用済み核燃料プールなど発話の対象になっているものを黄色で示します。 原子炉水位 TAFマイナス1700ミリ変化なし。 吉田所長は 1号機の水位計の値が変わらない事に疑問を抱いていました。
当初 1号機の状況に疑問を抱いていた吉田所長。 一方 柏崎刈羽の横村所長が話している相手も事故対応に関する柏崎刈羽からの意見は本店が受け止めて明確な指示を出さない限り意思決定の流れの中に入りづらい状態になっていたのです。 更に発話記録を解析すると吉田所長が置かれていた極めて過酷な状況が浮かび上がりました。 吉田所長は 原子炉だけでなく事故対応に関わる あらゆる業務に追われるようになっていました。