謀反を疑われた井伊家当主 直親は今川の刺客に襲われて井伊の末席に連なる者として虎松の後見となる者を推挙したい。 その者の名は 井伊直虎と申す。 ♪~我が 井伊直虎である。 直虎様…?いっそ 南渓和尚が還俗をなさってはいかがで…。 しかしながら次郎様… 直虎様のご出家は井伊の本領安堵と引き換えと伝え聞いておりますが。 領主としての名を直虎とし虎松が元服するまでの間それを後見するだけの話じゃ。 これからは 直虎様と名乗られ。 虎松様の虎を取って直虎にございますか。 それならば 直虎様の方が。
瀬戸村の甚兵衛とやら明日にでも そちらへ参ろう。 瀬戸村は 今は新野の娘御らの化粧料の地となっておるのか。 瀬戸村が見えてまいりましたぞ。 ご領主様!お願いにございます!お願いします!徳政令!?銭主に 借金を棒引きするようにという お沙汰でございます。 直虎様! 直虎様!何かあったのか!?井伊は… このままでは 井伊は潰れてしまいまする!銭二十貫文 銭十五貫文銭三十貫文…。 「瀬戸方久」。 井伊も 瀬戸の方久とやらから金を借りておるのか!?あの お目通りを願う者が。
今日 徳政令というものを出してほしいと瀬戸村の百姓に頼まれての。 祝田村の福蔵と申しますで!瀬戸村が 徳政令を出して頂けると聞きまして!あ… まあの。 んなら わしらん方も是非にとお願いにあがりました次第にごぜえます!瀬戸の衆らの話を聞き直虎様は さすがに元お坊様。 今 徳政を出せば井伊家も潰れてしまうゆえ。
皆も承知の事と思うが瀬戸村 祝田村の百姓が代替わりによる徳政を願い出てきておる。 彼らは 度重なる戦にて男手を失いここにおる方久に銭を借りるはめになり今は その支払いと年貢との二重の支払いで難儀しておる。 よって この2つの問題を落着させるために方久を家臣の列に加え瀬戸 祝田の両村をこの方久の所領とする事にする!瀬戸と祝田を 方久に。 加えて 村に新しい商いを興し百姓たちがおのずと返済できるように方久が面倒を見るという事になる。