動物写真家 岩合光昭は日の出とともに神社を訪れていた。 掲載される写真は3枚だが岩合の撮影は昼になっても終わらない。 岩合の撮影を観察すると不思議に思う事があった。 岩合は長年の撮影で ネコのちょっとした仕草から次の動きを読めるようになったという。 一年の多くを撮影現場で過ごす岩合。 日本を代表する動物写真家の一人岩合光昭さん。 その自然と向き合うため岩合さんは体調管理を怠らない。 そんな岩合さんが今 動物の中で一番 時間を割いているのがネコの撮影。
カメラマンとして 岩合が最も大切にする流儀がある。 自分が考えているネコを撮ろうとするからネコの写真かわいく撮れないんです。 自分の命と同じくらい大事だという40年間 撮りためた写真。 この写真は世界的に権威のある専門誌で表紙を飾る事になった。 父親の徳光さんは日本で初めてとも言われる動物専門のプロカメラマン。 だが 最後と思って父に付き添った絶海の島 ガラパゴス諸島で大学卒業後 進んだのは父と同じ動物写真家の道だった。
1年以上 腰を据える覚悟で向かったのは野生動物の宝庫…その瞬間を探し サバンナを車で駆け巡る日々が続いた。 頭で考えたイメージを捨て特に 仲間同士で命懸けの戦いを行うライオンの写真は1年以上かけて とらえたホッキョクグマの暮らし。 ボスニアは 1991年に起きたユーゴスラビア紛争の激戦地だ。 ネコを通して今のボスニアを どう伝えるのか。 内戦という絶望から立ち上がったボスニアに生きるネコ。 今回の撮影で目指すべき方向性が見えてきた。 翌日の撮影本番ではこの自然な仲の良さを狙いたい。