ふだんは聞いて楽しむ落語の演目を噺に合わせてあえて映像化致しました。 江戸時代にも大食い大会は あったそうで。 三代目古今亭志ん朝も得意とした一席。 浜野謙太演じるそば好きの清兵衛。 若い衆に そそのかされそばの大食いに挑むが…我々は こういう商売でございますから日本全国 方々に伺う訳で。 今日は二十枚 食ってみませんか?あなたが 二十枚 食えたらこっちから一分払おうってんだ。 あなた 二十枚 食えなかったら一分 お出しなさい。
「親方 あと茹でて… えっ 二十?食べてしまいました。 今日は三十枚でもって 二分って勝負だ。 「親方 あと茹で… 三十?食べてしまいました。 そばの清兵衛さん『そば清』さんといってねそばの賭けで家を3軒 建てたんだからね。 「おい 二十 三十朝飯前じゃねえか。 五十枚だな。 五十枚でもって一両の勝負だ」。 あなた そばの清兵衛さん。 どうです?今日は五十枚でもって一両の勝負だ。 清兵衛さんとんでもない勘違いをして赤い草を思う存分 摘みますってえと「ど~も!」。 「戻って来たよ 清兵衛さんが。
一両二両は惜しかねえが俺も そばの清兵衛だ。 「清兵衛さん そろそろ どうだい?おい 返事がねえな。 「様子 見に行こうか?清兵衛さん 開けるぜ。 清兵衛… 清兵衛さん?おい 清兵衛さんの姿がねえぜ」。 今から 横町の先生んとこ行っといで」。 「先生んとこ行っといでっての。 先生んところからねお赤飯 頂いたのよ。 先生お屋敷 お出入りしてるでしょ。 お屋敷でもっておめでたい事があっていろんなもの頂いてお裾分けだってんでねお赤飯 配って下すった。
「これはこれは お長屋の甚兵衛さんじゃございませんか。 「先生は ご臨終ですか?」。 先生 大変に お喜びになると思いますんでしばらくお待ち下さい。 お長屋の甚兵衛さんがお見えになりました」。 「ああ 甚兵衛さん よく来たな。 先生は ご在宅ですか?」。 甚兵衛さん いらっしゃったらこっちからきっかけ出してるんだよ。 赤飯 お長屋に お配り申した?おう お前にしちゃ上出来です。 いいんだ 甚兵衛さんそんなお赤飯ぐらいの事でもってわざわざ来てくれる事なかったよ。