ただ一つ 吉之助の嫁の顔を見れんかったこっだけが心残りじゃっちじい様は言うちょった。 あ！ 伊集院直五郎様の須賀さぁは どげんか？そいはよか なぁ！せっかくの よか話を吉之助が一度断ったどんまだ あっちにそん気があっかどうか聞いてくっで。 吉之助 嫁取りの話じゃがあっちは わっぜ気に入ってたど。 吉之助さぁは 殿について江戸まで行きたかとじゃなかとな？分かっとな？そりゃ分かっとよ。
江戸に行きたかのう！一緒に行けたらよかのう！おお！ 行っど行っど！行っど～！♪～江戸じゃ〜！母上 大久保さぁの家に野菜を届けてきもした。 吉之助 ちょっと…。 おはんだけに話すがどうやら じい様の死病を吉之助。 恐ろしいような縁談がまとまろうとしていたそのころ…西郷家では 吉之助のつましい婚礼が行われましたなあ 須賀。 よかよか！吉之助の次は こん琴の嫁ぎ先を見つけにゃならん。 ああ ところで吉之助 おはんも藩主様 江戸行きのお供を願い出たとじゃろう。
嫁の須賀殿じゃ。 なあ 吉二郎！お～ ナンコ！ そうじゃ そうじゃ！姉さぁたちも一緒にナンコをやりもんそ。 母上 須賀どんはまだ うちに来たばっかいじゃ。 須賀さぁおはんは こん家の事をもっと愛想よくせんかと 父にはずっと言われちょいもしたが…笑おうと思っても笑えんとでございもす。 新しか布団じゃ～ フッカフカじゃ！フッカフカじゃ～！わいたちゃ…！ すんもはん。 須賀さぁ 西郷家では今ん時期は こんなた豆でみそ漬けを作りもす。
父上！父上！ 父上！ああ…！目を覚ましてたもんせ！ 父上！祖父 龍右衛門の死からたった２か月。 吉兵衛の死後 満佐の病状は悪くなる一方でした死人を２人出した家は 墓に人形を埋めなくてはいけもはん。 江戸詰めに選ばれた二才たちよりも一足早い出発でした母上 せきに よう効くっちゅう薬を手に入れもした。 吉之助！ 選ばれたど！願い出んかったとじゃ？いや 願いは出した。 吉之助さぁは 昔っから嘘が下手。 じゃっどん こいからは吉之助さぁの好きなように生きやんせ。