こんなもんでは異国には太刀打ちできん!天狗じゃ!天狗じゃ!逃げろ逃げろ!あっ あ…!あっ うわ~!許してたもんせ!命だけはお助けくいやったもんせ!摩隼人は いつでん死ぬ覚悟はできちょっ!お前は一番幼い仲間を見捨てて逃げた。 餅が食えっど!わいは岩山んとこの娘じゃなかか!?妙円寺詣りの恨み 忘れたか!チェ~!おっ うぅ…!危ねえじゃねえか!おいは いつか斉彬様のおそばで忠義を尽くしとうございもす。 やっせんど 吉之助さぁそげなこつしたら首が飛んど!おいは斉彬様を信じちょっ。
世に言う…ないを ためらっておいででございもすか!?ないから逃げていらっしゃっとでございもすか!こん窮状から摩を救って下さっ御方は何か!お主らは?我ら 幼き頃より赤山先生の薫陶をば受けてきもした門弟にございもす。 赤山先生 そいは実方の中村半次郎がお礼にち持ってきた芋でごわす。 行っちゃならん!おいは あん女を たたっ斬る!我慢じゃ 吉之助!赤山様の死を無駄にすんな!斉彬様 いつまで待てばよろしかとでございもすか?摩ん事は全て こんわしが決める!これは 父上と私の最後の戦です。
ただいまより御前相撲 初めの一番と参る!あの者については?郡方書役助 西郷吉之助。 西郷吉之助。 勝った!西郷吉之助次は わしが相手じゃ。 吉之助 やめとけ!もし勝ってしもうたら首が飛んど。 行け 西郷! 私は そなたに全部 賭けちょっで!於一様!よっしゃ…!はっけよい…!のこった のこった!吉之助 勝ってはならん!知らんとは若さぁだけでございもす。
あたいは 西郷吉之助の母親でほんのこて幸せじゃした。 30両!あいた~!そいに いつ帰ってくっか分からん旦那さぁを借金まみれの家で待つなど私は 御免被りもす!おはん まさか諦むっ気じゃなかろうな?斉彬様に思い焦がれて ようやく近くへ行けるっちゅうとに!そげんこつはおいが一番分かっちょっ!ほいなら ないごて江戸へ行かん?そいを逃ぐっとか!?逃げちょらんどが!逃げちょっどが!このやっせんぼが!正助さぁ!立たんか こん大バカ者が!やめてくいやんせ!私のために江戸行きを諦めてくれたとでございもす!はぁ…。