ここに 「出雲屋」という損料屋を営む姉弟がおりました。 損料屋とはそうでございますな…皆様の時代の言い方で例えれば「レンタル屋」とでも言えばよろしゅうございましょうか。 ただ この出雲屋は他の損料屋と違い妙なうわさが広まっておりました。 この姉弟はしらを切っておるようですが実は この出雲屋は…つくもがみを貸す損料屋なのでございます。
私は 勝三郎様に添う相手の娘が器量よしかどうか知りたいわ。 勝三郎様のご実家佐久間家がお仕えする大名屋敷にね…。 根付けが どこかに身を潜めている可能性があるって事は大名屋敷に とどまっている可能性もあるって事でしょ？うちの道具を試しに使ってもらうって口実でお屋敷の方に タダで貸すんだ。 なっ！勝三郎様に紹介してもらって蜂屋家のお屋敷へも つくもがみを貸し出した方がいいですねえ。 佐久間家や蜂屋家の中に入れたらきっと 面白い話が聞けるだろうねえ。
勝三郎様のお屋敷で賊に襲われた時の話を聞かせてくれるか？賊に襲われた？ はて…。 確かに 私は盗まれましたがあれは勝三郎様と見知った間柄のご様子。 じゃあ どうして勝三郎様は利休が 走って逃げ出したなんて言ったのかしら。 鼠の根付がじっとしていたならば勝三郎様はそれを つくもがみだなんて知るはずがない。 回想結局 人間ってのはそうか… 勝三郎様は 鼠の根付が必要じゃなかったんだ！野鉄）あぁっ！あっ。 更に 勝三郎様は早苗様との縁談壊れてもよいとお思いでしょう。