何だい 養生所の人かい。 なにも 養生所の医者ばかりが医者じゃないんだよ。 ここには ここの医者がちゃ~んと いるんだよ。 その医者は 何という医者だ?石庵先生だよ。 養生所の医者だからってどんな業病も治せるってもんじゃないだろ。 うん… しかし医者がいる以上うかつに手出しはできん。 私でしたら いつでも天野先生とお会いします。 医者の知った事ではない。 名医も ヤブ医者も同じという訳でしょうかな。 ああ… もちろん新出先生のようなご高名な方は別としてですが。
保本養生所に運んで 手当てしてやれ。 先生が なぜ あのような者にそこまで同情するのか私は不思議だった先生。 奉行所に行って 岡場所の医者の事を問いただしました。 どうだった?「既に医者がいるのなら養生所が出しゃばる要はない」と言われました。 保本先生もそうすればいいじゃないですか。 石庵?岡場所で女たちを診ているという医者ですね。 なぜ 医者が先生を襲えなどと言うんだ?俺は言われたとおりにしただけだ。 なぜ 岡場所なんかで働くようになった?俺の親は秩父の田舎で 桶屋をやってた。
先生… 石庵を奉行所に訴えるべきです。 石庵とは先生を襲えと命じた医者だろう?どういう事だ?2人が知り合いとは。 何だ?赤ひげと石庵は前からの医者仲間だった。 どうして そんな事が分かる?石庵が奉行所に捕まると赤ひげの弱みをぶちまけられる おそれがある。 もしかしてお前が おとよとかいう子か?小石川養生所の者だ。 お前の兄貴が養生所にいるぞ。 ちょっと… 何なんだい!北町奉行所である!ここを あらためる!ちょっと… ちょっと…待っとくれ 待っとくれ。 あの… ここは石庵先生に任してますから。