日本選手が初めてオリンピックに参加した明治から昭和39年の東京大会まで激動の時代の物語です。 東京の…?ドラマの進行役を務めるのは当時 落語の神様と呼ばれた古今亭志ん生。 明治 大正 昭和を駆け抜け人々に愛された古今亭志ん生。 来年の大河ドラマ「いだてん」で古今亭志ん生を演じられるビートたけしさんに お越し頂いています。
それを八公とか熊公とか横町の隠居さんにこう コミュニケーションつけたと同じようにね落語家も噺でやってたわけ。 亡くなった圓生師匠の2代前。 その間に出てきたのが魅力のある 個性のある内容を優先するような人間的なのが名人たち みんなやられちゃったの。 三升家小勝も 柳家金語楼も 歌笑も己の内容が優先してしまうこういった感じの芸人たちが寄席を救ってきてくれたんです。
日暮里の志ん生さんのお宅にお伺いいたしましてもう 根こそぎいろいろお話を伺いたくてとろとろと お話を伺ったというフィルムがございまして本邦初公開でございますがちょいと それを皆さん方に見て頂きたく。
えっ この騒ぎん中で?そうなんですよ いきなりうちの店 飛び込んできてね1杯飲ませろって言いますからねこの際だから銭なんかいらねえお好きなだけ どうぞっつったら東京中の酒が全部 地面にのみ込まれちまうから大変だってんでぐいぐい ぐいぐい ぐいぐい…。 志ん生さんって人 私は随分戦前から ずっと戦後にかけて聴いたんですが実に この落語というものを楽しく面白く聴かせてくれた人ですね。
あれから 幡ヶ谷へ来て代々木から新宿の淀橋へ出まして甲州街道から新宿の駅へ出る。 御苑を右に見ながら大通りを こう行きまして合羽橋へ出まして 牛込の柳町筑土八幡から飯田橋に出まして言問橋を渡って 本所業平のなめくじ長屋へ着いた時にはおかみさん そろそろ行きましょう。 三枚橋から上野広小路に出ました。 愛宕下へ出まして天徳寺を抜けまして神谷町から飯倉6丁目へ出まして坂を上がって 飯倉片町。 その… おかめ団子という団子屋の前をまっすぐ麻布の永坂を下りました。
うちの普請なんかしなくてもいいから電球の球でも替えやがれとかねお宅のアブラムシは大きいねいざという時は乗って歩けるねとかね。 そうかと思うと 新しい句を随分 考えて作っておって「ピストルがないと寂しい西部劇」。 何だ これ?おもちゃだよ!蚊帳 返さなくちゃいけない!もう蚊帳…!何 この蚊帳!?もう何だよ こんな ひどいもん売りつけやがって もう!この詐欺野郎!…とは言えないね。
ほかは とにかく ズボラでしたけれども芸に対しては もう まことに真剣というか鬼気迫るものをおかみさん! おかみさん!あっ いけね!何やってんだよ。 師匠が ラジオに出られるそうですね!そうなんだよ。 ラジオなら 着物なんて見えやしませんから 大丈夫ですよ。 あっ ちょ… ちょっと!圓蔵さん 圓蔵さん 羽織!圓蔵さん!おかみさん おかみさん!いいんですよ。 いわく 二・二六事件に遭遇してしまう。
小野小町なんぞはもう あんまり器量がいいんでこうも あまたの公家が この小野小町に寄り添ってきたんですけどももう男の方で 振り返っても見なかった。 「あのねちょいと おめえ その戸棚のな右の下の方にな 麻の大きな風呂敷があるからな 出してくんな。 てめえはな 風呂敷を広げてパッと出しやがる。 風呂敷は旗じゃねえや。 バカ野郎!こうやってもって持って歩いてる人があるか!向こうが見えなくて電車に突き当たるんだよ!風呂敷ってものは こういうふうに畳んで『はい』って こう 夫の前へ出すもんだ」。
落語という作品を語ってるんでなくて人間を語ってるんです。 でも 私は 作品を語りながらやっぱり最終的には 志ん生みたいに人間を語りたいなとこう生きています。 おふくろに 昔 子どもの時 抱きつくと腰のとこに こうなっちゃうんだけどちょっと しょんべん臭いね その感じ?だから 志ん生さんの落語で「お前はさ 亭主の悪口ばっかり言って何で お前 別れねえんだ?」って。 あれは もう完全にその女房の懐の大きさと あったかさと肉感的なんだけど ちょっとわいせつさも あるんだよね。
まあ 志ん生さんは 芸人としてたけしさんの大先輩でいらっしゃいますけれども芸人の先輩という意味ではどういう存在ですか?引っ越したり 借金したり 大酒飲めば志ん生になれるぞって思ってちゃ時代が 長嶋 王をつくった。
いろんな先輩が新しいコメディアン志望のやつが来たと思って「おい」とか「たけ」とか言うわけ。 何で 俺 コメディアンになっちゃったんだ 本当。 そして これは東京オリンピックの年ですね。 すると 「国から保証金がいっぱい もらえるぞ」つってねもうベロベロになって毎日 酒盛りしてたらねいざ始まったらね 2メーター前に環七が通ってねうち 一銭ももらえずに借金だらけで工事 始まったらねダンプの煙だらけでね ほこりだらけでまあ おふくろ 怒ってたね。