当時の京は 日本最大の都市で繁栄の極みにあったどいて どいて!おい!おお 太閤様の後ろ盾があるとなったらお前 誰も逆らえへんな。 庄三郎 やるんやったら必ず間に合わしなはれ。 重さがまちまちな銀塊が通貨となっていたほう… これが 太閤様の大判でござるか。 平蜘蛛になれ 庄三郎。 平蜘蛛?平蜘蛛のように平伏して怒らせて追放なんぞされてみい。 後藤家の大判作りをな。 ハハハ… いや お前の金細工の腕は後藤家に受け入れるに決して恥ずかしゅうないもんじゃ。
「早紀様 江戸の町は京に比べ思た以上に 人も物も少なく驚かされます。 「早紀様 いよいよ 炉に火入れをし仕事を始める日が近づいてまいりました。 早紀様 今 何をしてはりますか。 お役目を全うして早紀様のもとに帰ります。 まあ 早紀はんには 今頃兄さんが訳を話してくれてはるやろし家康様も そういうことやったらしかたなしと言うてくれはった。 今日は いよいよ 家康様に大判作りをご覧に入れる日やさかい!ほんなら これより 大判作りを始めます。
この大久保長安はその財政能力を 家康に高く評価され江戸ならびに東国の金の流通を監督していた何か 都合でも悪いのか?い… いえ そのようなことは。 質を落とさず 色 形も妥協せず遅々とした歩みながら庄三郎たちの小判作りは着実に進んでいったお帰りなさいませ。 とぼけるでない!現に お前も後藤家に仇なすことを承知で己の欲のために生きる道を選んだではないか!笑止!そのような なまぬるい覚悟でわしの理想とする小判を作ることなどできぬ!ほんまに… 申し訳ございません!自害いたせ。
この度は 長乗様のお作りにならはった駿河小判 あれを見習うて江戸でも小判を作りとうございます。 あてを 後藤家の養子にしておくれやす。 打ち首…? 欺く…?はて 何のことでっしゃろか?江戸には まだ一枚も小判は出回っておりません。 後藤家は その下働きを江戸に残したことになります。 太閤様の お許しをいただき後藤家を江戸に招いた家康様を欺いたことになりますな。