参勤交代で 花のお江戸にまかり越した 酒田伴四郎。 庄兵衛？そりゃ どこのどいつだい？ですから そこのあなたですよ庄兵衛さん。 やっぱり庄兵衛さんじゃないですか。 ここは南海藩の藩邸人足用の大部屋さ。 こんな所 いられるか！♪～ご承知頂けましたか？主亡き今 長屋を遊ばせておくわけにはいかず次のために部屋を空けねばならんのです。 どうして夫は…伴四郎は 腹を切らねばならなかったのでしょう。 高野の殿様からの伝言ですが酒田殿は まだ生きてございます。 伴四郎！惨助…。 伴四郎。
ならば 私ではなくてもほかの誰かに探らせればよいではありませんか！伴四郎！ お主 まさに穴あけたろう。 あの穴は 私の責ではありません！叔父上に 罪をなすりつけられただけです！叔父上では 何の役にも立ちません。 叔父上。 随分と派手にやられたな 伴四郎。 え… 叔父上？三両のわしに助けられては五両の価値が落ちよう。 ちょっと… 叔父上！ 叔父上！何を言うておる。 叔父上 申し訳ない。 そこへ来て エゲレス公使から藩邸を増築しろと急な命令だ。
であえい！人足の一人が逃げようとしておるぞ！奴！？どこだ！？あっ いや 違う… ち… 違います！貴様か！違います！ あっ ちょっと…。 これは？乾燥味噌です。 味噌は滋養十分。 どうして…一人に たった六匁の味噌も賄えんというのですか？前に申したとおりうちに そんな余裕はない。 そのかわり唐辛子を用立てて下さい。 人足衆は 夜も眠れぬほどひもじい思いをしておるのだぞ！私が ご用立ていたしましょう。 その程度の金で人足衆に力がつくのならありがとうございます。