北海道の十勝です。 私は 子どもの頃 たった一枚の絵からアニメーションの世界と出会うことになりました。 ♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」♪「優しいあの子にも教えたい」今は 昭和２１年戦争が終わった翌年の初夏です。 なつは 初めて北海道・十勝にやって来ました。 お前は 佐々岡医院の…。 大丈夫です。 えっ？はい！あの… 学校は？学校など お前体を壊したら 行きゃいいんだよ。 「お兄ちゃん 私は大丈夫です。
おじいさん…！わあ～ すごい！これ 天陽君が描いたの！？違うよ。 天陽君は 農家をやりたいの？そりゃ やりたいよ！俺は ここで生きたいんだ！ここが好きなんだ！この土に勝ちたいよ！あ～！お願いがあります。 天陽君を助けて下さい。 まだ！ 学校で 人工呼吸習った。 おはようございます！遅くなって すいませんでした！それで 助かったのか？はい！ 私が 人工呼吸をして助けました！先生 学校で教わったことにうそはありませんでした。 天陽君！おう なっちゃん！ちょ… 動かんで。
それで なつのお兄さん咲太郎君の行方は分からないのか？はい。 なつ ちょっといいかい？何？東京行かない？えっ？咲太郎さん 捜しに行こう。 ここの店に 咲太郎を知ってる人がいます。 あんたも そでしょう？いつか ２人を新宿に呼ぼうとしてたでしょ？えっ？角筈屋書店の茂木社長から聞いたんだ。 本当は もっと心の底から笑いたかったのにな… 咲太郎。 咲太郎は 戦後のマーケットでうろうろしてるところを助けたんだ。
そしたら なつは正真正銘の柴田家の家族になる。 漫画映画を作る会社で働いてるんだ。 アニメーション制作に興味があって見学を望んで ここに来たんです。 うん… 下山君君は ここへ来る前 何をやってたっけ？あ… 警察官であります。 兄ちゃんも 結局その会社の試験受けて 採用されたらしい。 そして帯広の映画館でなつと天陽君はディズニーの漫画映画を楽しんだのです。 「この度 新しい映画スタジオが完成しました。 そこで 私どもは立派な漫画映画を作りまして何のことさ？東京に行くこと。
できれば… 家族のそばで酪農を手伝いたいと思ってたことも本当です。 まだ９歳で この北海道まで来てうちに来て ここまで成長してくれて本当にありがとう。 よかったじゃない！はい！その夜 なつは咲太郎のことが気になりちょっと お酒につきあってくれる？えっ？食べてよ。 兄の名前は奥原咲太郎です。 牧場に預けられてさ人の苦労を 苦労とも思わねえようなおっかない開拓者のじいさんでなそういうことにも なるべさ。 ただいま！咲太郎…。 相変わらず不景気か？神武景気も ここまでは届かないか。
漫画映画を作りたいの。 漫画映画って ディズニーとか？うん。 なっちゃんは あれだね東洋動画に入りたいんだよね。 失礼ですが東洋映画社長の大杉 満さんでは？そうだけど…。 新しく出来た東洋動画という会社に私の妹が入りたがってるんです。 アータの妹が 漫画映画を？うん。 北海道へは どうやったら行けますか？妹のためだと思って行かせたのはいいけれど一人になってみたらもう会いたくて会いたくてたまんなくなったって。 だけど ９つから 私を育ててくれた両親は北海道にいます。
それに受かって 必ず そこから漫画映画を作ってみせる。 なつが受ける試験は仕上という絵に色を塗る部署の試験でした。 なつは 再び東洋動画の採用試験を受けました。 仕上の面接に大杉社長が来ることはありませんでした。 どうしても漫画映画を作ってみたいです。 そして 東洋動画初出社の日を迎えました。 なぜか みんな モモッチって呼ぶのよね。 モモッチ先輩。 モモッチさん。 これは動画ですか？いや これは原画に近いもんだね。
千遥？千遥か？私は… 違います。 あなた方は？千遥の家族です。 千遥に会いに来たんです…。 そんで 千遥は 今 どこにいますか？申し訳ない…。 その手紙は千遥ちゃんが持って出たようです。 千遥が？うちの母から 逃げたんだと思います。 えっ？母が… 千遥ちゃんにばかりきつい仕事を言いつけて…それで 我慢しきれなくなって逃げ出したんだと思います。 俺が千遥をあんな目に遭わせてしまったんだ。 けど 俺は 千遥がどこかで生きてると信じてる。 だったら その夢を千遥に見せてやれよ。
馬が 崖を下っていく動きに合わせて牛若丸や馬の顔が伸びたり縮んだりしてますよね？こういうのを アニメーションでは…。 現実的な世界のリアリティーを追求しようとしているのかアニメーションにしかできない表現を追求しようとしているのか…東洋動画の問題点をずばり 口にしやがった…。 そして 長編漫画映画「わんぱく牛若丸」は完成しました。 「わんぱく牛若丸」の成功を祈ってかんぱ～い！かんぱ～い！♪「ソーレ ソレソレ お祭りだ」なっちゃん 天陽には手紙書いてるの？いや 最近は忙しくて…。