よし もういっちょ！おら！やった！ 万平山の勝ち～！チクショーめ！でかした 万平！今日の酒は旦那のおごりでい！今日も昨日もないもんだ。 いつだって 旦那のゴチにあずかってるくせしてあんたたち。 旦那 おいら これで。 先生には 何か拙者は これまで 各地を遍歴しあらゆる師範と試合を致しいまだかつて敗北した事のない修行者でござる。 折笠殿のご高名を聞き及び是非とも お手合わせ願いたく参上つかまつった。 参った 参った！え？参りました！あらゆる達人名手と試合を致したが折笠先生ほどの名人に会ったはこれ 初めて。
お～ ありがてえ！しかし 旦那は どうやってその金 こしらえてるんです？いや そこなんだよ 不思議なのは。 まさか その正体は天下の大泥棒なんてんじゃ…。 いやいや さる お大名のご落胤ってえのは どうだい？「金は天下の回り物」。 そうですよね エヘヘヘ。 おいおい 誰だよ？万平に 酒飲ましやがったのはよ。 万平 万平 万平！ ほらとっつぁんが酔っ払ったらなおめえが 屋台引いて帰るんだぞ。 沖石主殿でござる。 金に飽かせて贅沢がしてえんなら座敷のある料理屋にでもはい込みやがれ！旦那 やめて下さいよ。
商売の邪魔になるからさっさと よそへ行っておくれ。 ヘッヘヘヘ ゆすりたかりと大差はねえ。 あれ？ その子は 沖石殿の…。 町道場の門人連中だといったな。 チクショーめ 偉え侍が寄ってたかって 年寄りを…。 下手人の見当がついてるんでしたらさっさと 捕まえて下さいましよ。 このまま泣き寝入りしなきゃいけないの！？待てよ親父橋近くの道場といえば…。 先生はこのままで平気なんですか？私 悔しい。 俺も この十六店の住人でな。 まことの名は 松村信兵衛だ。