古典芸能への招待 歌舞伎「壽祝歌舞伎華彩~鶴寿千歳」「弁天娘女男白浪」

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♪~今年の4月に新しい歌舞伎座が開場し大いに盛り上がりを見せています。 歌舞伎界の第一人者の踊りで新しい歌舞伎座の幕開けだと。 坂田藤十郎さんは 文化勲章受章者で 人間国宝なんですね。 読むとも足らじ 天津日嗣の 知ろし召す その名の雛の 声よ声 有り難や 動がぬ 例の 巖の上 十返りの花 物言わねど 或る時は 嬉しの嬉しの 面白の限りなき 齢を 君に参らせ歌舞伎座の柿葺落を ことほぐホントに 華やかな踊りではなかったでしょうか。

では 「弁天娘女男白浪」をご覧頂きましょう。 ツイ お天気工合が悪いのと友禅入の模様ゆえ染が上りません。 されば 京染の模様物毛織錦の帯地の類又お襦袢になさる緋縮緬緋鹿子などを見せてくりゃれ。 コレコレ 小僧よ京染の模様物毛織錦の巻物におはーい。 さて また 本日は お日柄もよく八幡様も 大層な人出でございますがお嬢様も お芝居はお好きでございましょう?オイノォ。 お嬢様のごひいきはまあ 何と言っても当代随一の兼ねる役者左様でございますか。

左様なら お嬢様には御婚礼のお仕度でござりまするか。 これより 八幡様へ参詣なし帰りに寄って持って参ればお嬢様日暮れぬ内にまいりましょう。 お嬢様を万引などとあてこともなきことを申しあとで後悔いたしおるな。 島屋!身に覚えなき 万引呼ばわり盗んだというは この布か。 コリャ山形屋で買った証拠の書出これでも万引と言いかけするか。 私は この家の伜宗之助にござりまするがどうぞ 御了簡なされて下さりまするよう一同…。 何を隠そう お嬢様は二階堂信濃守の藩中早瀬主水様の御息女。

お嬢様のお言葉もあれば了簡致すであろう。 すりゃ御了簡なすって下さいますか。 了簡し憎き処なれど切れ放れよき主の挨拶百両なれば 了簡致そう。 如何にも 二階堂信濃守の藩中早瀬主水が息女でござる。 二階堂信濃守の用人役玉島逸当と申すもの早瀬主水と名乗るもの我が屋敷に覚えない。 秋田の部屋で すっぱり取られ塩に困る所から百両ばかり稼ごうと損料物の振袖で役者気取りの女形うまく はまった狂言もこう見出されちゃァ 訳はねえ。

大磯 小磯 小田原かけ生れが漁師で波の上沖にかかった元船へその舟玉の毒賽を船丁半の側中を 引っさらって来るかすりとり居所定めぬ南郷力丸面 見知って貰えてえ。 南郷力丸 忠信利平赤星十三 弁天小僧わっちゃァ ほんの天窓数さ。 へェ 膏薬代がたった二十両か弁天小僧と南郷が呉服見世でかたり損ないいのり出しもできようがこっぱ仕事で夜が更けらァ今日のところは それを貰い申して帰ろうじゃァねえか。 よく考えてみなよ俺とおめえが十両ってこんな端下金冗談言っちゃいけねえよ。

済まねェがな この臓物をうめえ具合に始末してくれねえか。 この手拭いでよ こうやってほっかむりをしちまえばおう どうだこれで シガは隠れるだろう。 おは~い!おうおうおうこんな赤え鼻緒の草履が履けるか。 何をしゃァがる!アイタタタ。 あっ そうだ!俺は うち帰ったらないい膏薬 持ってるからそれ つけてやろうじゃねえか。 膏薬 持ってる?持ってるよ。 今度は 俺が必ず 埋め合わせしてやるから。 何 今度 埋め合わせしてくれる?ああ 必ずしてやる。 これは おめえが差して来た大小じゃねえか。

問われて名乗るも おこがましいが生れは 遠州 浜松在十四の時から親に放れ身の生業も白浪の沖を越えたる夜働き盗みは すれど 非道は せず人に情を 掛川から金谷をかけて宿々で最早 四十に人間の定めは 僅か五十年平生 着馴れし 振袖から髷も島田に由比ヶ浜打込む浪に しっぽりと段々越ゆる鳥居数八幡様の氏子にて続いて あとに控えしは月の武蔵の江戸育ち幼時の時から手癖が悪く抜け参りから ぐれ出して旅を稼ぎに西国を廻って首尾も吉野山碁打と言って寺々や豪家へ入込み盗んだる金が御獄の罪科は又その次に列なるは以前は 武家の中