日本の話芸 講談「黒田武士」

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博多 黒田52万石福岡藩の藩祖がこの官兵衛でございまして家老の嫡男として生まれましたけれども父親の跡を継ぎまして城代家老までなる。 それを知って 官兵衛「いよいよ 引退の時がやって来た」というので家督を 伜の長政に譲りまして自分は 頭を丸めて44歳で 如水と名乗って隠居してしまいます。 そして 天下分け目の 関ヶ原の合戦という事になるんですが一方 如水はと申しますと九州で 独力大活躍をしたんですけれどもその恩賞が 家康公からびた一文も無かったという。

昔から 勇士豪傑は酒を好むと申しますがこの母里太兵衛という人福島正則に会うて口上を伝えくれよ。 供方を 控えに待たせておいて母里太兵衛案内に従いまして まず使者の間という所に通されました。 「お言葉にはござりまするがこの母里太兵衛 酒は不調法。

2杯目もなみなみと 注がれた大盃見つめておりました太兵衛口をつけますと グ~ッ。 ♪「ツトツンツン ツトツン」♪「槍は 錆びても名は 錆びねで ツトツン」♪「昔ながらの 落とし差し」♪「エ~サアサー ヨイ ヨイ ヨイ ヨイ」「エッ」。 かつて 帝より関白秀吉公に賜りし物を戦場抜群の功によって正則公が拝領致したる「日本号」と名付けし 天下の名槍。 それとも どうあっても槍を下しおかれぬとあれば『福島左衛門太夫正則公は生涯 兜を脱いで「ウ~ン 何と申す?」。