日本の話芸 落語「寝床」

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昔は 義太夫が大変に 流行った事がある。 「たれ義太」なんて事言うんでございますけども見台か何か 持ちながらカ~ッと 顔を紅潮させるってぇと弟子のほうで 師匠切ったりなんかする。 ね?それから 料理番 来てるかい?料理番に言っとくれよ腕 振るうように腕 振るうように。 今日は 義太夫の会があるって分かりそうなもんだろう。 今度 義太夫の会ですか?』ってこういう 言い方 するから『ございますよ』つったら『あ~ そうですか ヘエ〜。 で 義太夫が無きゃいいのにね』つったんだ」。

『ブハハホヘヘヘッ ヘヘヘッ』」。 私が本当に 『三十三間堂棟木由来』やってるところでもってくしゃみをしたんだ。 『私たちはお呼ばれが無いという事は何か しくじりでも致しましたでしょうか?』ってそういう 嫌み 言われたんだけど今日は 一軒 漏れなく回ってくれたか?」。 「一軒漏れなく 回ってまいりました」。 金物屋 どうした?」。 「金物屋さん 行きましたよ。

提灯屋は どうした?」。 「提灯屋さん。 提灯屋さん 行ったら提灯だらけなんですよ」。 「そりゃ そうだろう提灯屋なんだから」。 それがね 普通の提灯じゃないんですよ 酸漿提灯だ。 「厚く切るってぇとあくが出ちゃってね薄く切ったら味が無いっつうてんでね牛蒡をね 私 伺ったんですよええ お豆腐屋さんにボウルがありますね そこで牛蒡 こっち側で持つんですよ。 で 包丁を こっちに持ちましてね旦那様 旦那様こっち側こうやって 回すと同時にこっち側 すごく サッサッサッサッ」。

「そりゃ いけません そりゃ!それは 旦那様何を考えてるんですか?ええ? 店の者はみんな 修業中ですよ?それを 旦那様のそんな 義太夫を… そんなそれは 天が許しても私が許しません」。 「今日は 義太夫の会があるつったらな 陣頭指揮に立って率先して 自分がやらなきゃいけないんだよ。 「三どんですか? 三どんはあの~ 神経痛です」。 「何だい?その神経痛ってぇのは」。 「それがね普通の神経痛じゃないですよ。

何か あるのかい?』ってぇから『今日は 義太夫の会でございますよ』ったら『あ~ そうかい。 「何だい? 私の義太夫とお前の所の 年を取ったおふくろと どこがどう 兼ね合いがあるんだ?」。 「何だい? 私の義太夫 聴くとお前の体にもしもの事が起こる…」。 ね? 私がね いやその~ 義太夫 聴いて死ぬような事が…」。 私はねお長屋の人みたくね仕事をこしらえたり店の者みたく 病気になったり私の義太夫が聴きたくないからってんでみんなで そういうふうに用をこしらえたり…。