日本の話芸 落語「けんげしゃ茶屋」

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この番組のまとめ

「いや 違うのや 家に おったらな家のが その なんじゃがな女子衆 使て正月の用意をしてて『あんさん そこに居てなはると片づけものが ちょっとも出来へんさかい 表へお店へ出てておくんなはれ』てこない 言うさかい 店へ行たら番頭が 帳面 広げて チッチッチッチッこんな事 やってるよって『旦那さん そこに おられると気になりますさかいどうぞ 奥へ』 言うて奥 行たら 『店へ』店 行たら 『奥へ』 言うてとうとう 行く所 無うなってなこないして 寒空ウロウロ 歩いてますのや」。

それで しばらくして『そやけど 旦那さん 最前からお手水へ行きはったようなふうには見えまへんでしたけど』ちゅうさかいな『いや~ 最前 ここへ おまる持ってきてえなっちゅうたらそんな 座敷で そんな事が出来ますかいなっちゅうてお前さんが言うもんやさかいな うん今 ここで しましたんやがな』言うて ス~ッと 立ち上がるとな股の間から コロンと落ちてるやろ? ほな それ 見て『まあ なんちゅう事しなはんねん。

でな 早速 店を持たせてな国鶴の鶴ちゅう字をとって鶴の家っちゅうねんけどなこの本人は もとより親父どんからお母んに至るまでこれが至っての けんげしゃでやれ カラス 鳴くが どやから箸が こけたが どやとかそれ 見ながら飲むのが楽しみです」。 あ~ 子供が 羽根つき してるわ独楽回し してるわ正月ならではじゃな。 おっ そりゃそうと お母んお前ん所今朝方から 何も無かったか?」。

どうぞ 今年は もう 旦那さんそういう遊びをなさいませんように お願い致しますでございまして。 「新年早々の礼に参っております」。 「今 あの~ 2階で 身支度を」。 身支度でございます。 正月の事でございますからもう 一段と きれいに髪を結い上げまして春着でございます。 「ホ~ッ 蓬莱に松竹梅ア〜ラ 結構なこっちゃな〜。 錆田の先生が家の お父っつぁんの林 松右衛門という名前を折り込んで歌を作ってくれはりまして句が載ってますのやわ」。 「えっ? そうか?『のどが鳴る早 死にかかる松右衛門』」。

「やっぱり 棺巻きや~中から 死人が 顔 出しとる」。 今日は もう 何でもええどんどん 好きな物やってくれたらええねんで」と今まで 陰気やった座敷が ちいと陽気になりかけたところへ昨日 約束を致しました又兵衛さんが…。 「え~ 確かな 橋筋中筋東 入った所は ここ ここ。 「アハッ あの~ 村上の旦那さん来てはりますかいな?」。 これがな 京都に御影堂っちゅうのがあってなそこのな 渋谷藤右衛門ちゅうてな それを略したら『めいどの しぶとう』言うて皆で言うて」。