でも どこを探せばよいかどうして 分かったんだろう?実は 海王星を最初に見つけたのはいわば 天体望遠鏡ではなく数学だった。 そこで ルヴェリエはある方程式を解き海王星を見つける事のできる方角を割り出したのだ。 フランスの天文学者 フランソワ・アラゴは「ルヴェリエは ペンを使って惑星を発見した」と表現した。 というわけで海王星の存在を予測し実際に 発見できたのも全て 数学のおかげだ。 数学が 私たちの世界を解き明かしてくれる重要な言語だという事に気付いたのは 古代ギリシャ人特に ピタゴラスだった。
しかし 数学はそれらの不可能性と不可能性の証明をも 学問の中に取り込むようにしたんだ。 数学の 古典的な問題の一つに「デロスの問題」と呼ばれるものがある。 でも実際 この問題と次に紹介する もう一つの古典的な問題について19世紀の数学を待たなければならなかった。 もう一つの古典的問題というのは「不可能な事」の例えとして辞書にも載っているようなものだ。
つまり物事の初期条件が設定され更に その後の動きを決める運動方程式が分かっていればこれが アンリ・ポアンカレが発見した「カオス」という現象だ。 ところが ポアンカレが発見したのはそこに もう一つの星を加えるとこの太陽系の安定性を予測するのはずっと 難しくなるという事だった。 ポアンカレは 当初 太陽系についての論文を まとめながら初期条件の 些細な違いは問題ではないとして証明を進めそれで ポアンカレは 自分の間違いを発見する事になる。
実際に コンピューターで3回 シミュレーションした結果が これだ。 次に 初期条件をこれは コンピューターを使って振り子を どの地点で手放すとどの色の磁石の上に 最終的に止まるかを図にしたものだ。 でも イギリスの天気のように本当に 蝶の羽ばたき程度の風の変化が全体のシステムに影響を与えてしまうくらい繊細な地域もある。 イギリスの気象庁は集められる限りの データを集め天気予報のシミュレーションを繰り返している。
レミングの個体数は4年に1度急激な減少をする事が観察されている。 すると レミングたちは 4年に1度断崖絶壁から 海へと飛び降り自殺するんだといううわさが立った。 そこには レミングたちが 実際に崖から 次々と飛び降りる驚くべき姿が 映っていたからだ。 そして 撮影スタッフがその上に レミングを載せてそれに 4年ごとに同じ撮影スタッフが通っていたわけでもないし。 まず レミングはある個体数からスタートする。 翌年にはレミングは繁殖してその数は理論上 倍になる。 これで レミングの繁殖実験ができる。
更に 少し割合を増やしてレミングの個体数が毎年 3.5倍になる場合4年ごとに 個体数が突然劇的に減るような振る舞いになる。 繁殖で増える割合がこの 3.5になると特殊なパターンが現れ4年ごとに レミングが 急激に減るという現象が起きたのだ。 レミングが 毎年 4倍に増えると仮定するとパターンは 突如 崩れて結果は カオス的になる。
19世紀から 20世紀にかけての偉大な数学者 ダフィット・ヒルベルトは必ず 答えは見つかるという当時の数学者たちの間にあった自信のようなものをうまく語った。 もちろん時間は かかるかもしれないが実際「フェルマーの最終定理」を解くのに数学者は 350年もかかった。 でも ヒルベルトが語ったのは…これが 20世紀に入った頃の数学者たちの感覚だったと思う。 でも 1930年代に数学者たちの自信を完全に打ち砕く事件が起きた。
ところが 19世紀の終わり数学者 ゲオルク・カントールのおかげでこの世界では 所有するニワトリの数で富が決まるとしよう。 そして 私と 男の無限のニワトリの数を比べて実際は 同じ大きさである事を示せるというんだ。 カントールに言わせれば私の無限のニワトリも彼の無限のニワトリもその数の大きさはやはり 同じなんだ。 カントールは 分数のニワトリを格子状に並べ縦も横も無限に続く列に並ばせた。
とはいえ 今回も同じように私のニワトリと 1対1で対応させる事ができれば同じ大きさの無限だといえるだろうと君たちは 思うかもしれない。 こうやって 私のニワトリと全ての 無理数のついたニワトリを組み合わせていくとする。 しかし どうやっても1対1に対応させられない無理数のニワトリが出てくるんだ。 たとえ どのように私のニワトリと 男のニワトリを組み合わせたとしてもご覧のとおり まだ 私のニワトリと対応していない 無理数のニワトリを作り出す事ができるからだ。