激動の時代を生き抜いた興福寺の国宝仏像。 ふだんから アートに触れて刺激を得る中で舞踊家ならではの視点から仏像にも関心を寄せています。 金森さんご自身は 仏像のどんなところに ひかれるんですか?仏像って 基本的に 当然のように静止しているんですけれどもその体のポジショニング 形からその前どこにいて 今そこにいてその次 どこに行くのかというその動き自体を見るのが すごい楽しみというか 楽しいですね。 さあ ここに勢ぞろいしていますね十二神将立像たち。
日本を代表する仏師として海外でも高く評価されている江里康慧さん。 仏師たちは 集団をつくって朝廷や貴族から大きな仕事を請け負っていました。 当時 最高峰の仏師が造った平等院の本尊です。 集団同士が しのぎを削る中競争に破れ 京都を追われた仏師たちがいました。 運慶らを中心とする 「慶派」と呼ばれる仏師たちです。 慶派の仏師たちに大きな仕事は回ってこず古い仏像の修復に明け暮れていました。 この時 慶派の仏師たちに影響を与えたのが焼き打ちのような悲劇を二度と許すまい。
どんな災いをも払いのける最強の十二神将を造り出そうとしたのです。 焼き打ちや自然災害 さまざまな災難があったからこそ今度こそは いいものを造ろう 造ろうというなみなみならぬ当時の仏師たちの過去 魂がダイレクトに伝わってきますよね。 さあ こちらにも先ほどの十二神将と同じ十二神将たちがいるんですが…僅か3cmの薄いヒノキの板に彫られた十二神将。 先ほどの十二神将立像より100年以上 古い平安時代に造られました。
非日常的な過剰さにいってるからこそそこから 次々飛躍が生まれてくるというか。 あえて 過剰なというかちょっと非日常というかアンリアリスティックなところまで持っていく事によって表現をしようとしてる感じって我々の世界でも自由に 好きなように表現していいという事よりもある種の制約があって例えば舞台であれば 正面があってお客さんが ここに いらっしゃるという大前提があるから正面という制約に向かってじゃあ どう見せていくかと。