日本の話芸 落語「口入屋」

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この番組のまとめ

噺のほうに 「口入屋さん」なんという商売が以前 こういう 口入屋さんなんという商売がございましてこれは 今で申しますと 派遣会社みたいなもんでございますか船場の商家でございますね丁稚さんとか 女子衆さん要りようやというと口入屋さんに お願いをすると適当な奉公人を紹介してくれた世話をしてくれたという事でございましてで 船場辺の商家というのは大体が いわゆる 男性の従業員でございましてね丁稚さん 手代さん 番頭さんほとんど 男性でございますが紅一点はと申しますと女子衆さんいわゆる 女中さんという訳でございます

そっち 引っ込んで引っ込んで」なんてね番頭 己一人 前へ出まして何じゃ 見合いでもするような了簡 なってますところへやって参りましたのが口入屋さんから やって参りました女子衆さんでございますな。 奥へ通ってもらわんならんのを店の端で 番頭が止めたりしてえらい おかしな具合やなと思てやろうけども 家はな上というたら 旦那さんとご寮さんの2人っきりで一切は 店を預かる この番頭の私が仕切らせてもうてますのでなあとの喧嘩先に しとかんならんというのが家は 誠に お給金が安い。

本来ならば もう少々 入れてもらわないかんねけれどもそこは 朋輩のよしみ嫌な顔をせずに 『よし よし』しばらくすると また『30銭入り』 『20銭入り』『10銭入り』 『5銭入り』『3銭入り』 『2銭入り』『1銭入り』7~8遍も入った頃に帳面のほうは 筆の先でドガチャガ ドガチャガドガチャガ ドガチャガ」。 しばらくすると また 『50銭入り』『30銭入り』 『20銭入り』『10銭入り』 『5銭入り』『3銭入り』 『1銭入り』7~8遍も入った頃に帳面のほうは 筆の先で「ドガチャガ ドガチャガ ドガチャガ。

来年の別家も 『川口で 船割る』オジャン ポコペンてな事になるよって そこは そう『帯と 10円』の一件もあるこっちゃしやねそっちは そっちで ドガチャガドガチャガとしといてくれたら『魚心あらば 水心』『水心あらば 魚心』てな事を「女子衆さんいうたら とうに奥へ入りはりましたで」。

盆画盆石香も 少々は 聞き分けますでお手前は裏千家花は池坊 お作法は小笠原流謡曲は観世流剣術は一刀流 柔術は渋川流槍は宝蔵院流 馬は大坪流軍学 山鹿流忍術は甲賀流 その他鉄砲の撃ち方 大砲の据え方地雷の伏せ方 狼煙の上げ方…」。 番頭はんの 今晩の手水場行きは鎧兜で行きなはれ」。 私 誠にかたの悪い者でございまして両親には幼い時分に 死に別れまして心斎橋の八幡筋に伯父が 一人 おりますの。 「あの女子衆さんね京都の人でやすと」。

今日は 女子衆目見えにつき めでたい。 女子衆目見え記念っちゅうやっちゃ めでたいさかいな今日は もう 店 早終い店 片づけて 表 掃除せえ」。 おかしな具合ですなええ? あの番頭がついぞ 店早終いさすような番頭ですか?別嬪の女子衆さん 来たんやで~そしたらね番頭はん いっぺんに 喜んでね『今日は もう 店 早う 閉めて宵寝する~ 早終いして宵寝する〜』 言うとんねん。 「まだ 御飯 食べてぇしまへんで御飯」。 「御飯が まだです 御飯御飯 食べさせてとくんなはれ御飯。 「御飯 御飯て 嫌らしいな~。

ですから 台所へ回って膳棚 足掛かりに薪山へ潜り込んで2階へ抜けようというんでね足掛かりにしようというので膳棚へ グッと こう力を入れたんですが 拍子の悪いこの膳棚を支えてました腕木でございますこれが ちょっと 腐りかかってた。 調べてみりゃ よかったんですがいきなり 重み かけたもんで膳棚が 肩の上へガラカラガラガラッと ス~ッ。 「明日の朝まで こんなん 嫌やで」なんてね 膳棚 担げてしもうて。 膳棚を足掛かりに 薪山からとキッチリ 同じ勘定 つけよる。

「エエ~ッ!お前はんも 膳棚 担げてる?ほな これ 2人で担げてんの?何をすんねんな 同じような事考えたんやな お前はんも。 ええ? しかし これ他の奉公人に見せられへんで一番番頭と二番番頭が 夜夜中膳棚 担げてるやなんて もう格好悪いやな これ」。 こいつは また井戸側の上へ上がりましてね天窓の紐へ ぶら下がって ワ~ンと2階へ駆け上がろうなんて往年の ターザンみたいな事考えよって…。 「そっちは膳棚でやすか?膳棚は 命に 別条おまへんけど私 これ 離したら泳ぎを知りまへんねん。