日本の話芸 落語「三軒長屋 下」

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14:16:59▶

この番組のまとめ

♪~「三軒長屋」って噺なんですけどねこの お噺の三軒長屋路地の入り口はね 鳶の頭の政五郎さんという家でございます。 そりゃ 鳶職の頭の所ですからねいつも 若い者がゴロッチャラ ゴロッチャラしてる。 で その長屋の真ん中がですなさる物持ちですね伊勢屋勘兵衛さんという質屋の ご隠居さんのお妾さんの家なんですよ。 楠 運平橘正国という一刀流の指南の先生の道場なんだ。 路地の とっつき 政五郎さん仲間の寄り合いからぐれだしてねちょいと 4~5日家 空けちゃったんですよ。

頭 何 考えたのか羽織を着ますってぇとね表へ出て お妾さんの家を通り越して 一番 路地の奥楠先生の所へやって来たんですがまぁ 町道場といっても道場らしい形はしてまさぁね武者窓が切ってあって高張り提灯がこう 掛かってましてで 大きな板に 筆太で「一刀流指南 楠 運平橘正国」なんて書いてあるんですよ。 伊勢屋勘兵衛 ええ?隣の妾の ほら 親父ですよ」。 「ア~ア〜ア〜 伊勢屋勘兵衛 うん。 伊勢屋勘兵衛が いかが致した?」。 先生ね 伊勢勘がね 私ら先生も含めた私らをね店立てさせようと言ってんだ。

いや そうなればな 政五郎殿そちらの力は借りんでよろしい拙者一人でな 伊勢屋勘兵衛を滅ぼしてみせるから。 伊勢屋勘兵衛宅へ地雷火をしかけて…」。 何の話がまとまったのかしれませんけどもその日は それで終わったんですよ明くる日 朝早く楠先生 黒木綿の五つ所紋付に 松阪の袴素足に 朴歯を履きましてね鉄扇を ぶら下げるてぇとガラ~ン ゴロンと下駄を引きずりながら隣の伊勢屋勘兵衛さんの家へ やって来たんで…。 伊勢屋勘兵衛殿 ご在宅ならばお目にかかりたくお取り次ぎ願いたい」。

何しろ 門弟が増えてまいったので道場も手狭に相なってなどこか 手頃な所はと思って探しておったがちょうどいい所が見つかったので早速 転宅したいと思ったところだがまぁ 恥を話しするとな長年の浪々で蓄えというものがもう ござらん。 で 門弟どもに相談したところが他流千本試合を行って人に集まってもらいその上がりで 引っ越しをしてはという事に相なってなまぁ 場所も なかなか探すのも大変だから道場でやろうと思うが道場が手狭すぎるのでなお宅の この 前の空き地がござるが そこも お借りしてどういう事をやるので?」。

ご無沙汰致しまして相すみません」。 「いえ そりゃね 仕事のほうがだいぶ 繁盛してるのはありがてえんですがね今度 大仕事 引き受けて若い者も 家も いつも5~6人は いるんですけどそんなんじゃ 足りねえんでやっぱり10人 20人と要るようになるてぇと家 狭くてね 使いみちにならねえもんですからねどこか 手広い家はねえかと思って 探してたらどうにか ちょうど いい家が見つかったもんですからね引っ越ししようと思ったんですよ。