100分de幸福論

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この番組のまとめ

哲学からは 東京医科大学哲学教室教授の 西 研さん。 文学部門の島田さんは?井原西鶴の「好色一代男」と「好色一代女」を。 文学 特に物語とか小説というのは理論的に幸福に迫るというよりは一人の男や女の 生き方とか死に方を通じてですね具体的な幸福論に結果として なってるというものだと思うんですね。

そこで ちょっと「好色一代男」と 「好色一代女」と。 「好色一代男」というのは ある意味万人の夢でもある酒池肉林をもう とことん追求するというそういうテーマなんでねやっぱり 出版された時に一般庶民の皆さんが果たせない夢をこの 世之介という主人公が果たしてくれているので 代理で一代限りで 財産残すなんていう事考えずにね全部 遊興のために使いきってしまえという。 だから 文学作品というのは近代以前の日本文学を見ると 一番代表的なのは「源氏物語」ですが一生 遊んで暮らすぞと決めた男の記録になってるわけですね。

もう一方の 「好色一代女」の方をご紹介頂きたいと思うんですけど。 この井原西鶴という希代の社会観察者がこの「一代男」を書いて評判を得たもんですからその女性版をという事で書いたんですけれどもちょっと スタイルが変わっていて回想形式になってるんですね。 「好色一代女」は 「好色庵」という庵に暮らす 一人の老女が若侍に語る 波乱万丈の人生物語。 ちょっと これは世之介のような光源氏的な行動というよりは「好色一代女」の全職業。

アダム・スミスは 「国富論」で当時のイギリス政府の方針に異議を唱えました。 経済活動の根本は金銀財宝ではありません。 アダム・スミスはどれほどの労働が行われたかでものの価値は決まるという「労働価値説」を主張。 1人で ものを作るよりも作業工程を分担して行えばアダム・スミスは 国家の規制は極力 無くすべきだとする「自由経済論」を訴えたのです。

日本でも 日々 刻々と変わる世界状況に対応するため企業は 非正規雇用を増やし雇い止めなどの問題が深刻化しています。 それが雇って金銀財宝を 国家がため込んで社会還元しないという事はこれは確かに恥ずべき事だけれども それはず~っと どの国家も どの企業もやり続けてはいますね。

やっちゃいけない事は分かる この不文律というものについても経済活動というものは 正当性を持たないという事を言っていてもっと 働く人も含めて企業も含めて ある形でどういうバランス 取れるのかとかね。 お一人様で生きていきやすい世の中になっているという事はありますけどそれは やっぱり基本的には危険な事だと思いますしまさに このシンパシーという事が必要だというのはやっぱり 忘れてはいけない事は…経済活動というものを執り行う生き物は 人間しかいないですね。

この 自由を求める欲求と承認を求める欲求は残念ながらしばしば 矛盾するわけですよね。 みんなに合わせて いい子になって空気を読んで いい子にしてれば自由の欲求というのも ただ単に寝たい時に 寝たいというのも自由ですけれどそれだけじゃなくて自分のプライドを貫きたいと。 そういうわけで人間は やっぱり戦って勝ちたいというところが出てくるので…スポーツなんかというのは本当に そうでとことん 自分のやりたい事を通して 承認もされて…うまくいけばですね 自分の価値を確信できるわけですよね。

そうするとその中で 自由と承認の矛盾は完全に消えないかもしれないけれどもそこを乗り越えられるはずだというのが一応 ヘーゲルの見通しなんですね。 だから 今度 パターンが出てきて「試合には負けたけど俺的に内容には納得してる」とかも含めたとこに移ってって「もっと多くの人 入ってきて俺らの音楽の良さ 分かってくれるはずだ」と思えないとほんとにはパワーに ならないじゃないですか。 ヘーゲルは 人間の意識がさまざまな段階を経験した後他人を必要とする。

孤独は 嫌なんだけど人との人間関係に戻るのも相当 きついみたいな人たち。 実は 僕の前の大学の時の学生で「幸福論」という卒論を書いた子がいて10人ぐらいの 年齢さまざまで中にはゲイの子がいたり いろいろ苦労してる子も多いんですけどそういう子にずっと インタビューしたんです。

フロイトという人が書いた「精神分析入門」を選びました。 精神科医 ジークムント・フロイトは心に問題を抱えた患者を診る中で「無意識」の重要性を発見します。 本能というのは 言いかえれば遺伝子情報として書き込まれているのでこういう時には こういう行動をするというふうに精神分析では「欲動」というふうに呼んでいます。

自分が中心になって世界を捉えていくっていう発想をするわけですけれどもフロイトは この「自分」というのがどうも そう簡単なものではない。 その「意識」のところであってもっといっぱい「無意識」のところがあってそれは自分は知らないんですね。 それは 意識して忘れようとしたのでもなければ自分が言わないって決まり事を作ったわけでもなくどうしても出てこないやっていう。 でも 無意識の自分って分からないんですよね?分からないんです。