日本の話芸 落語「野ざらし」

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この番組のまとめ

できた場所が顔ってんじゃありませんでねこの お尻ってぇ所へ出ましてねどうも この お尻ってぇものは自分の目で確かめるってぇ訳にはいかない場所ですな。 しかし これで 話は変わりますが近頃は 由緒ある町名を林家彦六という師匠がいらっしゃいましたがね舞台に こう 出て参りますと「待ってました稲荷町」なんてんでええ粋が良かったんですな。 「待ってました 東上野三丁目」なんてんじゃねどうも気合いが入りませんけれども。

まぁ 昨日も昨日とて釣り竿を肩に向島の土手まで出てみたらな間日とでも言おうか雑魚の子一匹 掛からない。 このような日は 天が『殺生してはいかん』という戒めでもあろうかと日も 西山に傾いたで釣り竿に糸を巻きつけているとな金龍山浅草寺で打ち出す暮れ六ツの鐘が陰に籠もって ものすごくゴ~ンと 鳴ったな」。 「するとな後ろに生い茂っている葭が風もないのに ガサガサ ガサガサ…」。 下手な 講釈じゃねえんですからね変に 話を 陰気に 締めねえでこれが いざとなるてぇと これが案外 意気地が無えんです」。

「分からない人だね人骨野ざらしがあった」。 「人骨野ざらしだよ」。 「あ~あ〜 人骨野ざらしね。 人骨野ざらしかな~んだ そうか。 『生者必滅 会者定離頓証菩提 南無阿弥陀仏南無弥陀仏』と 三遍の回向。 ♪「時計屋の周りは軒並み 仏にぃ~」♪「なるであろチャカランチャン スチャラカチャンと」♪「チャカランチャン スッチャンチャンと」「どこか 行こうか?」。

長押に掛かった槍を小脇に かい込むてぇと…」。 これを小脇に ツカツカツカ」。 乱菊や 狐にもせよ この姿見ぬようにして目につく緋縮緬頭はてぇと文金の高島田に裾模様。 白魚を 5本 並べたような手をついて『私は 昼間向島から参りました者。 お前はん ふだんから どうも向島へ行って ハゼを釣るの鮒 釣るなんつってるけれどもああいう別嬪を 一人で釣ってるとは思わなかったな どうも。

新造か? 年増か~?乳母さんか? 子守りっ子か?泡 くって おかまなんぞを釣るな。 『新造か? 年増か?乳母さんか? 子守りっ子か?泡 くって おかまなんぞを釣るな』なんつってますがあなた あちら…?いえ。 ♪「チャカランチャン スチャラカチャンと」「ウワ~イ」。 ♪「鐘が ゴ~ンと 鳴りゃさてんだ」♪「上げ潮 水波さ」♪「カラスが パッと 出りゃコラサノサ~エ」♪「骨がある サイサイサイと」♪「ハッ スチャラカチャンときたスチャラカチャン」「おい。

こっちは 今 夫婦喧嘩になるかならねえの境じゃねえか。 『で お前さんてさ 男だから月のうち 一晩 二晩 家空けるのは構わないけれども我慢してやるけど 毎晩 毎晩空けたら 私ゃ 承知しないよ。 ウ~ン 頼まねえや〜い チクショウメ。 ♪「中の水 コラサノヤ~ット」「アハハ おかわの水 かぶって逃げだしやがった エヘヘ。 なまじね 『世に 連れは邪魔』てぇけど 本当だよな。 オオ~ッ 慌てて まあ〜 弁当箱忘れていきやがったな。

俺の所はね浅草 門跡様の裏八百屋の角を曲がるってぇと角から3軒目。 腰障子に 丸に八の字が書いてあるから すぐに分かるよ。 中でもって客待ちをしておりましたのが私が ここでもってトロリとしてるのに気が付かず昼間っから ご婦人と この 再会の約束は憎いね。 『俺の所は浅草 門跡様の裏八百屋の角を曲がるってぇと角から3軒目。 腰障子に丸に八の字が書いてあるからすぐに分かる』つったね。 先生のほうに骨 行ってねえでしょうね?何を グズグズしてやがんだろうな?おっ 足音がしてきましたよ。