ETV特集「歴史と民族から考えるウクライナ」

戻る
【スポンサーリンク】
00:56:02▶

この番組のまとめ

ウクライナと聞いて私が思い浮かべるのはまず 旧ソビエト時代の穀倉地帯炭鉱や鉄鋼の工業地帯のイメージです。 1991年の旧ソビエトからの独立以来ウクライナ団結の象徴となった青と黄色の国旗を手にEUへの加盟 そして大統領の退陣を要求しました。 今 ドネツクなど東部の州では暫定政権が準備を進める明日の大統領選挙の実施が危ぶまれています。 これはものすごい巨大な建物ですけどそこも ドネツク人民共和国をとなえる親ロシア派に占拠されてしまってるんですね。

暫定政権側は ウクライナ語をそれまで ロシア語を公用語にしていた部分をやめて全て公用語は ウクライナ語にするという事をやったのでだから 新しくできる統治形態の中で公用語としてロシア語が残るかどうかという事は 一つの大問題。 この経済格差の問題は 今回のウクライナの混迷というものに視点で言いますとまず 西部という要は農業中心でつまり ウクライナ全体から見ますと所得の低い地域で欧州からの投資が増えれば豊かになれるだろうと期待している地域であります。

第一次世界大戦を経て西部ウクライナの一部がソビエト領となります。 更にソビエトは 第二次世界大戦の過程でウクライナ系カナダ人たちが足しげく通うセント・ジョージ教会があります。 今 カナダに暮らすウクライナ系住民の多くはガリツィアなど 西部ウクライナから移り住んだ人々の子孫です。 ウクライナ蜂起軍というゲリラ組織でソビエト軍を苦しめました。 西ウクライナが ギリシャ・カトリック。

ですから ある面では スラヴといったような意識が高まる時は大スラヴ主義とかスラヴ民族主義というような事が歴史的にはありえたと思いますがしかし国民国家 あるいは国民国家的な ナショナリズムというレベルの事になっていくとウクライナ ロシアあるいは ベラルーシ 白ロシアとかこういうような事になっていく。 それは やはり 自分たちのナショナリズムを 国民国家としてつくり上げていこうとする意欲が高まった時にはナショナリズムというのは 非常に狭い次元で発揮される事になる。

ですから91年に ソ連邦崩壊の時に本来でいえばそういう歴史の矛盾が激突して全然おかしくない状況がウクライナに あったわけですね。 ウクライナ民族主義的なものっていいますかウクライナに対する愛国心というものが非常に高まってる事をお感じになったわけですね。 そういう事が政治的な意識と結び付いた時にさっきの国民国家の関係で愛国心という事になる。

クリミアについて見る事で今後ロシアがウクライナに対してどのような立場を取るつもりなのかロシアの意志についても考えていきます。 ロシア系住民が過半数を占めるクリミアでロシア編入か ウクライナ残留かが問われる事になったのです。 クリミアというものが ロシアにとって非常に大事な場所でありその後 セバストポリが黒海艦隊の母港になるわけですからそういう戦略的な意味を持ってくると。

もっと 更に考えられるのは東ウクライナ あるいは西ウクライナの極端な人々この ナショナリズムというものは健全性を失い かつ危険な分裂性あるいは 侵略性を増す事によって誰もが制御できないようなコントロールできないようなところにいく事によってここに欧米の強い危機感があるという事かと思われます。 ただ それが うまくいくかどうかという事についての私たちが考えるべき一番大事な事はこの クリミア ウクライナの問題が持っている現時点における国際政治上の意味ですね。