♪~今年3月都心の小さな中学校で生徒2人だけの卒業式が行われました。 中学校通信課程の全課程を修了した事を証する」。 小学校しか出ていない2人にとって57年遅れて初めて手にする中学校の卒業証書です。 千代田区立 神田一橋中学校通信教育課程の歳月を追いました。 その理念のもと全国80を超える中学校に通信教育課程が併設されました。 それから 66年現在 この学校に通う生徒たちは皆 高齢となって ようやく中学校にたどりついた人たちです。
「Be careful.」。 26年前 夫が脳出血で倒れてからは絶え間のない介護生活で自分の時間は持てませんでした。 もう家にいると 一日中私も一緒にいるとおい おい おい おい 呼ばれて。 2011年 春神田一橋中学校通信教育課程に2人の新入生が入学してきました。 同級生がやめ一人になった宮城さんは分銅を使い 物質の密度を計算する理科の授業を受けていました。 70年近い実生活の中で 小数点の計算など 必要なかったのです。 こういう応用問題駄目なんだよ全然 駄目。
偶然にも 同い年の2人は和気あいあいと2年生 初めての理科の授業を終えました。 「Be Proud of」。 「Be Proud of」。 「人生七十年難しいですね。 英語のアナウンスね。 2年生最後の英語の授業はニュースをにぎわす ある少女の言葉を教材に始まりました。 それは 2人がこの学校と出会う前無意識に抱いていた願いそのものでした。 「Change the world」。
職人として培ってきた宮城さんの経験が学校での学びと結び付きました。 元看護師で 7歳年上の妻信子さん。 5年前からその介護と 家事の一切を宮城さんは引き受けています。 峯永さんもまた 宮城さんと共に学ぶ中で 変わったといいます。 その前はね 学校行き始めてもただ行ってるだけっていう感じだったけどここ2年ぐらいは ほんとに楽しく行ってるじゃん。 「勉強教えて」って言うだけで学校で どういう事があったとかどういう人がいる なんていう話は全然しなかったけど最近よくするもんね。