日本の話芸 落語「こんにゃく問答」

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この番組のまとめ

♪~この方 若い時分は 江戸で「親分」とか 「兄ぃ」とか言われてた人でね訳あって上州のほうへ引っ込んで今では 蒟蒻屋をやっているというんでねこの人を頼って江戸を食い詰めた遊び人が「いや 幾日 何十日 俺ん所へいても構わねえんだがなまぁ こういう田舎はないろいろ うるせえんだよ ああ。 こらぁ 文句が短けえからな都々逸がいいんじゃねえかと思うんだ」。 「都々逸ですか?いや 都々逸とくりゃ私は ちょいと うるさいですよ。

「拙僧は 越前国永平寺沢善と申す諸国行脚雲水の僧にござりまする。 まさしく 禅家の御寺と心得大和尚 ご在院ならば修行のため一問答 願わしゅう推参つかまつった。 で 勝った坊様が この寺の大和尚になるってぇなぁ宗門の決め式だよ」。 そう 言ってやれよ な?『家の大和尚はな問答は やらねえんだ』ってそう 言ってやんな」。 あっ 親分じゃねえや家の大和尚はね 問答好きなんだよ うん。 なにしろ 家の大和尚はねああ 気まぐれなんだから。

「いや そこからね 問答の坊主ってぇのが やって来ましてね問答 やろうってんですけど私は 問答ができねえんでね『大和尚は 今 留守だ』ってそう 言ったんですよ。 ついては あ~銭が無くっちゃいけねえからじゃあ 本堂の 金目の物をこう 道具屋へ売っ払っちまおうっていう相談が今 まとまりましてね「ええ。 明日 その坊主が来たらな俺は その大和尚の身装をして控えてるから俺の前へ連れてこい。

安信の描きしか 格天井の雲龍は鼠小便により 胡粉地となり金泥の丸柱は剥げわたる。 運慶の彫りか 欄間の天人は蜘蛛の巣に閉じられ旗天蓋は 朝風に翻る。 正面には釈牟尼仏右手の方には曹洞禅師達磨左手の方には普賢菩薩。 三体の尊像はいずれも 煤を浴び 黴が生え一段前に 法檀を設けて一人の老僧。 頭には 帽子を戴き手に 払子を携え座禅観法 寂寞として 控えしは当山の大和尚とは 真っ赤な偽り何も知らない蒟蒻屋の六兵衛さんが。 ええ?有無の二道は禅家悟道の悟りにしていずれが理なるやいずれが非なるや』これ 如何?」。