コンプライアンスというのがございまして。 ここに ございました酒飲み極道というのがこれが 酒を飲んで博打を打って 女を知ってとうとう 親の身上潰してしもたという。 今では 九尺二間の長屋暮らしでございますがそれでもやめんそうでございましてもう 毎晩毎晩 あっちへ寄ったりこっちへ寄ったり何で こない お酒ってうまいんやろね? ヒクッ。
さぁ このあと同じ長屋で 住んでおります腕力極道が帰ってきたようでございますがこれが また酒は飲まん 博打はせん女は嫌いやという品行方正のようでございますが今 言いましたように腕力極道て今どき流行らんもんでございまして喧嘩と火事が大好きやてけったいなもんでございますな。 おかしな癖でございますが「これが無かったら気が ムシャクシャする 面白ない一日が終わらん」っちゅなこんな男がおったんでございますが。 さぁ 次の日の朝向かいの 酒飲み極道は 朝 起きて仕事 行くんでございますが若い身空で かわいそうにな。
坐摩の前へ心中 見に行ったんやないかい」。 「坐摩の前で心中があったんか?」。 代われるものなら代わってやりたい』 な?『坐摩の前の心中で南無阿弥陀仏』と」。 あれはな今日の事や ありゃせんでなあれは 私が 15の時の話やがな」。 そのまた 夜向かいの酒飲み極道酔うて 帰って参りますが同じでございます。 帰って参りますと お母はん昨日の今日でございますから起きて 待っておりまして。 飯 食べやるか?今日は お前さんの好きな生節と高野豆腐 炊いてあるで。
ボンボラボ~ン ボンボラボ〜ン。 「火事やといな~火事やといな〜」。 「火事や 火事や」。 さぁ この 「火事や」という声が耳に入ったもんですから「ウ~ッ か か か 火事は…。 ウ〜ン 火事は…」。 「火事は どこじゃ~?」。 「ウ〜ン 火事は火事じゃい」。 「何を言うとんじゃい火事は どこじゃ~い?」。 気の毒なんは この梅やんという同じ大工仲間でございますが。
♪「源さん 源さん」♪「日天さんが お照らしじゃ時間 何時や知らんか」♪「八時三十分 回ってる近所の車屋も 関東煮」♪「ふんぞり返って 寝てるとは冥加が悪いで」♪「おとなしゅう 早う 起きやおっ 源さん ハイヤ~」♪「けンンンんかなんぞやろうか~いな」♪「これ これこれ これ これ」♪「職人の朝寝は コロリと やめいや コロリと やめ」♪「ハア~ 良い殿御じゃ良い殿御じゃ」♪「すこぶる美男の良い殿御じゃ」♪「ノホホンノヨ~ホンホン あろうかいなヤッンンンンな また あろうかいな」さぁ それから 仕事 行き