北海を定期運行する フェリープライド・オブ・ブリュージュ号です。 今回は フェリーの重要な部品を点検し整備します。 整備のために船を支えるブロックがフェリーの船体に合わせて置かれています。 高さ1mの鋼鉄の台の上にオーク材のブロックが載せられクッションの役目を果たします。 この上に船をのせる事で技術者たちが船体の下で作業するための空間が出来るのです。 プライド・オブ・ブリュージュ号の船体はブロックの上に正確に収まっていたのです。 2,200tの海水を入れるバラストタンクを備えています。
迷宮のような バラストタンク内を点検するにはまず 水が残っていないかどうか安全性を確認する必要があります。 プライド・オブ・ブリュージュ号はバラストタンク内の水の量を調節する事で条件の変化に対応しています。 快適に?ここには「フィンスタビライザー」と呼ばれる船の揺れを減らす装置があります。 ジャイロスコープのシステムを利用していて船が一方に傾くと自動的に察知してフィンスタビライザーを作動させるんです。 犠牲陽極?これを付ける事で鋼鉄を守るんです。 犠牲陽極は 亜鉛で出来ているため鋼鉄よりも早く腐食します。
点検作業には 技術者だけでなく乗組員も協力しています。 プライド・オブ・ブリュージュ号を最もよく知る乗組員たちはこの日2つの錨の点検を手伝いました。 怪物のように大きな船の動力を生み出すエンジンが設置されている場所です。 ドックに入っている間に一等機関士 ハンズ・プロンクの班が数千もの弁や エンジンの電子制御システムを点検します。 ここから エンジンを監視し制御する事ができるんですね?ポンプや発電機も。 ポンプ スクリュー 発電機 クラッチ…。
生み出された動力の ほとんどは長い軸で エンジンと連結された2つの巨大なスクリューを回すために使われます。 長い軸を使うのはエンジンを スクリューの近くに置くと200tもの重量が船尾に集中してしまいフェリーの安定性が損なわれるからです。 スクリュー表面の欠陥は「キャビテーション」という現象によっても引き起こされます。 スクリューが回転すると 羽根の周りの水圧が急速に下がりキャビティー 気泡が生じます。 気泡が 連続して潰れると衝撃波が生まれスクリューの表面が浸食されるのです。
プライド・オブ・ブリュージュ号は日本製プライド・オブ・ヨーク号はスコットランド製ですが船の仕様は 全く同じです。 他の船の航海灯をすぐに確認できるよう今から このフェリーは北海の混み合った航路を320kmにわたって航行します。 また 自らの位置情報を近くを航行する他の船に伝えるシステムもあります。 位置情報を海図と重ね合わせると多くの船が航路から外れないように航行している様子が分かります。 悪天候をチャレンジとして楽しむ事は?悪天候を チャレンジとして楽しむなんて事は絶対にありません。